大阪市立三軒家西小学校

2024/03/29 11:46 更新

校長経営戦略予算の加算配付が認められました!!

 校長経営戦略予算の加算配付が認められましたので、次の資料のとおり、学習環境の整備を進めていきます。

 平成28年度 校長経営戦略予算【加算配付】資料
   大正区  三軒家西小学校
   校 長  大 賀 正 規

 三軒家西小学校は、本年度に創立100年周年を迎える歴史と伝統を誇る学校である。地域の方々は「三西」の名に愛着を持ち、ゲストティーチャーとして学校と共に取組む体験学習や子どもたちの見守り活動など地域をあげての学校支援体制が確立されている。それゆえ、学校に対する願いや期待は極めて大きい。特に本年度は創立100周年の年でもあり、あらゆる教育活動に熱い視線が注がれている。本校では、その願いや期待に応えるべく教職員が一丸となって教育活動を推進しているが、保護者の中には、全校児童数100名の小規模校であるがためのデメリットを懸念されている方も少なくない。そこで、子どもたちが進学し社会に出ても、大勢の前で臆することなく堂々と胸を張って、自分の意見や考えを発表できるようにコミュニケーション力やプレゼンテーション力の育成することを学校の大きな目標に位置付けている。本年度は、「100年、100人、100点満点」を合言葉に、子どもたち一人ひとりに目がいきとどき、きめ細やかなサポートができるという小規模校のメリットを全面に押し出した「100点満点」の学校づくりを推進していきたい。

1.授業のICT化
 本校では、昨年度まで、生活科・総合的な学習を通して研修主題を「ふれあい、伝えあい、学びあう〜体験したことや調べたことをもとに、自分の考えをまとめたり、表現したりする力を育てる〜」とし、生活科・総合的な学習を通して、シンキングツールやルーブリックを活用した授業づくりの研究を進めてきた。その成果として、昨年度の全国学力学習状況調査で、「友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意だ」という項目に「あてはまる・どちらかといえば当てはまる」と回答した割合が70%を超え、全国の割合を約20ポイントも上回ることができた。今年度も引き続き研究主題は変えず、全教科でシンキングツールやルーブリックを活用した授業づくりの研究を進めていきたい。そのためには、授業のICT化が急務である。しかし、本校は、小規模校で予算配当が少なく、過去3年間校長戦略予算加算配当が認められなかったこともあり、授業のICT化を進める環境の整備は、けっして進んでいるとは言えない。 各教室には、未だ液晶モニターも整備されておらず、書画カメラなどのICT機器の導入も困難な環境であった。しかし、昨年から、大阪市の学校教育ICT活用事業が進められ、各学校にタブレット端末が40台、各教室に指導用パソコンとプロジェクターが整備されることになった。そこで、この機会を逃すことなく、校長戦略予算を活用し、ICT環境の整備に努め、授業のICT化に大きく踏み出したい。

(1)全教室に書画カメラとロールスクリーンを整備する。
 昨年度は、研究教科を生活科・総合的な学習とし様々なシンキングツールを用いて学習し、子どもたちにはルーブリックにより自己評価をさせ、一定の成果を上げることができた。学習の流れは、子どもたちにも振り返りができるように板書を工夫した。書画カメラで子どもたちの書いた付箋を貼りつけたチャートの台紙を拡大し、昨年度から整備されているプロジェクターを使ってロールスクリーンに映し出せば、どの教科でも教員に負担なく、容易にシンキングツールを使った学習が可能になる。さらに、書画カメラで様々な資料を拡大すれば、視覚面から子どもたちに興味や関心を引き出き出せ、子どもたちのノートや作品を拡大すれば、子どもたちが自分の意見や考えを発表する大きな手助けとなる。また、合理的配慮を要する子どもたちにも、書画カメラは、読むことや聞くことで情報を得るのが苦手でも、漢字の形や書き順などの視覚的な情報を大きな画面に映し出すことができれば、理解の手助けになる。書画カメラは操作が簡単なので、ICT機器に苦手意識を持つ教員にとっても、授業のICT化を推進するきっかけとなり、タブレット端末導入のつなげることもできる。

(2)各階に60インチのデジタル黒板を整備する。
 本校では以前に整備された50インチのデジタル黒板1台を2階の多目的室に置き、5・6年生の英語学習に活用している。しかし、50インチでは画面が小さく機能も古くなってきている。また、今回の学校教育ICT活用事業で整備されるプロジェクターには、デジタル黒板機能がなく、タブレット端末をより有効に活用していくためには、低学年が入る2階、高学年が入る3階の各階に60インチのデジタル黒板を整備する必要がある。(本校にはエレベーターが整備されていない。)
 1〜5年生の教室は、ICT機器が整備されておらず、拡大コピーされた模造紙をホワイトボードに貼って授業をしている。それに対して、6年生の教室は、プロジェクター・書画カメラ・ロールスクリーンが整備されている。この6年の教室を三西スタンダードとし、すべての教室を三西スタンダードに整備したい。 
      
2.図書館蔵書のデータ化 

 昨年度の全国学力・学習状況調査で、本校の算数A・Bの平均正答率は、全国の平均正答率を上回ることができたが、国語は、A・Bとも下回った。 また、「1日の読書時間」を問われる項目で「2時間以上」と回答した割合や「読書は好きか」を問われる項目で「当てはまる」と回答した割合は、全国平均を上回ったものの、「10分より少ない・全くしない」と回答した割合や「当て昨年度の全国学力・学習状況調査で、本校の算数A・Bの平均正答率は、全国の平均正答率を上回ることができたが、国語は、A・Bとも下回った。また、「1日の読書時間」を問われる項目で「2時間以上」と回答した割合や「読書は好きか」を問われる項目で「当てはまる」と回答した割合は、全国平均を上回ったものの、「10分より少ない・全くしない」と回答した割合や「当てはまらない」と回答した割合は、全国平均より高く、二極化の傾向がみられる。そこで、本校では、言語力や論理的思考能力の育成と国語の学力向上を目指し、週1時間の「図書の時間」に加え、毎週水曜日の朝に「読書タイム」を設けている。1〜3年生には月1回、地域ボランティアによる「絵本の読み聞かせ」や担任による読み聞かせを実施している。また、本年度からは、同じ水曜日の20分の休憩時間にも図書館で地域ボランティアによる「絵本の読み聞かせ」 実施し、読書環境の整備に努めている。 さらに、大阪市の学校図書館活用推進事業により、学校図書館補助員も配置され、特別予算で購入した蔵書も増え、読書環境は整いつつある。この時期に、図書館の蔵書を合理的に管理し、子どもたちへの貸し出しを簡易化するために図書館蔵書のデータ化を行いたい。

(1)図書館管理用パソコン・プリンター、整備ソフトやバーコードリーダーを整備する。
小規模校である本校では予算が限られており、管理用パソコン・プリンター、整備ソフトやバーコードリーダーなどは、加算配当が認められないと本年度も購入できない状況である。図書館を整備し、手軽に本を借りることができる環境を整えることで、子どもたちの読書時間を増やし、読書好きの子どもをより多く育てていきたい。

 最後に、私は、本校に着任して早々、取組みが遅れていると感じた「授業のICT化」や「図書館蔵書のデータ化」などのICTの活用・推進を積極的に取り入れることを学校運営の重点と具体的方策に加えることを教職員に示した。そして、自ら学校ホームページを毎日更新することで、ICT活用を推進する姿を示している。さらに、3年前に作成された「運営に関する計画」にも、中期目標【視点 学力向上】「学校は基礎・基本を身につけ、進んで学習、課題解決に取り組む子どもを育てる(以下略)」「自分の思いや考えを先生や友だちにしっかり話すことができる」を達成させるために、今年度の取組内容?には、ICT機器を活用した学習を積極的に取り入れることを加えた。それによって、本校が行ってきた研究活動で成果がみられるシンキングツールやルーブリックを活用した「言語力や論理的思考能力の育成」の取組みを全教科にわたって推進させ、さらに大きな成果をあげることができると考える。また、ICT環境を整備することは、子どもたちにとってのメリットが最も大きく、ICT機器を使いこなす技術を身につけ、将来にわたって活用することができる能力を育てていくことは、グローバルな社会に通用する人材を育成することにつながると確信する。