大阪市立三軒家西小学校

2024/03/28 17:27 更新

 平成29年度校長戦略支援予算加算配付が認められました!!

 今年度も校長経営戦略支援予算の加算配付が認められました。下記の配付申請書に基づき、取組みを進めてまいります。
               大阪市立三軒家西小学校 平成29年度 校長経営戦略支援予算【加算配付】配付申請書
                                                       (補足説明資料)
                                                                 大正区  三軒家西小学校
                                                                 校 長  大 賀 正 規
1. 学校の現状と運営方針
三軒家西小学校は、児童数が108名、全学年が単学級の小規模校である。保護者の中には、小規模校のデメリットを危惧される方もおられるが、本校では、小規模校のメリットを最大限に活かした教育活動を推進している。教職員のほとんどが108名全員の児童の名前を覚え、児童一人ひとりに目が行き届いたきめ細やかな指導や支援ができる。さらに、毎日の集団登校や縦割り清掃、全校遠足などの学校行事に多くの縦割り活動を取入れることで、全児童が互いに支え合い切磋琢磨できる環境を整えている。そして、児童が進学し社会に出ても、大勢の前で臆することなく堂々と胸を張って、自分の意見や考えを発表できるようにコミュニケーション力やプレゼンテーション力の育成することを大きな目標に掲げ、研究・研修を積み重ねている。 また、本校は、創立101年目を迎える歴史と伝統を誇る学校で、昨年11月には、地域・保護者と共に創立100周年記念式典を盛大に挙行した。地域の方々は、「三西」の名に愛着をもち、親・子・孫の三代が本校に通うという家庭も多い。地域の学校に対する支援体制は整っており、登下校の見守り活動だけではなく、年に10回行われる本校独自の取組「三西クラブ」や福祉体験、昔遊び体験など様々な活動にゲストティーチャーとして本校の教育推進にも参画していただいている。学校からも児童を三西まつりや盆踊り、敬老大会などの地域行事に積極的に参加させ、合奏や民謡を発表している。「運営に関する計画」の中期目標を「平成32年度末の保護者アンケートにおける『学校は家庭・地域との連携を密にとっている』と答える保護者の割合を90%以上にする。」と掲げ、地域に開かれ、地域と共に歩む学校運営を推進している。
2. 授業のさらなるICT化を進めるために(課題と要望事項)
昨年は、校長経営戦略支援予算の加算配付を受け、各教室に書画カメラとロールスクリーンを整備し、大阪市から配給された単焦点型プロジェクターを教室壁面に設置することができた。また、校舎各階に電子黒板を整備し、どの教室でも、授業用パソコンやデジタル教科書、タブレット端末などICT機器を活用できる環境を整えた。 その結果、教職員にもICT機器を積極的に活用していこうという気運が高まり、今年度の「研究主題」は、教科を限定せず、「主体的に学び合う子どもを育てる〜ICT機器の活用を通して〜」とし、全教員を挙げて全教科で「授業のさらなるICT化」を推進することになった。また、新たに策定した「運営に関する計画」の中期目標の1つを「平成32年度3学期における授業アンケートで『授業について興味・関心・意欲が向上した』と答える児童の割合を全体の80%以上とする」とし、施策6の「ICTを活用した教育の推進」に関して、年間5回以上の研究授業を行うなど具体的な取組を進めていくことにした。 しかし、本校のICT環境はまだ十分とは言えず、研究の充実した成果と4か年にわたる中期目標の達成を目指すための手立てとして、「ICT支援員追加訪問校」に応募し、教員へのサポート体制を整えることにした。また、CIOの教員を「ICTフロンティア」に応募させ、他校の実践から学び多くの情報を集め、本校の研究の中心としての役割を果たさせるとともに、不足するICT機器を教育センターの貸出機器で補うように計画している。 さらに、より充実した成果を目指すために今年度の校長経営戦略支援予算【加算配付】で後述のICT機器を拡充し、最新のICT環境の下で研究を推進していきたい。
(1)全教室にワイヤレス電子黒板を整備する。
 大阪市から支給された単焦点型プロジェクターには電子黒板機能がなく、デジタル教科書を使って学習する時に指導者は、スクリーンに映った対象物の操作を手元の授業用パソコンでしなければならない。拡大や移動、書き込みの操作のために指導者がスクリーンから離れ、対象物を指し示さずに説明していては、デジタル教科書の効果は半減する。また、先日の5年生の算数の学習で、スクリーンに映し出された数枚の数字カードを組み合わせ、指導者が示した条件に合う数をつくる学習をしていた時、指名された児童はその数をつくるために授業用パソコンのカーソルでカードを移動させていた。児童は解答を理解していたが操作に戸惑い、他の児童の視線はスクリーンに集中できていなかった。いずれは、操作に慣れてくるとは思うが、デジタル教科書をはじめ、書画カメラなどのICT機器を最大限に活かした授業を推進していくためには、校長戦略支援予算を活用し、ワイヤレス電子黒板を整備してプロジェクターに電子黒板機能を後付することが不可欠であると実感した。
(2)特別支援学級に電子黒板機能付き単焦点型プロジェクターを整備する。
 本校では、昨年度に各教室や特別教室に単焦点型プロジェクターや電子黒板を配置したが、特別支援教室には設置できていない。特別支援学級には、様々な支援を要する児童が入級しており、その児童一人ひとりの能力をより効果的に伸ばしていくために電子黒板機能付き単焦点型プロジェクターを整備したい。電子黒板でも同様の効果を上げることができるが、特別支援教室は狭く、車いすや歩行器、クラッチを使用している児童の安全のため、プロジェクターを教室前方の壁面に設置したい。デジタル教科書を使用したりや様々なDVD教材を大きなスクリーンに映し、視覚的な刺激を与えることで大きな成果が期待できる。 (3)習熟度別授業用の授業用パソコンを整備する。  本校では、3年生からの国語と算数の学習で習熟度別授業を行っている。大阪市から支給される授業用パソコンは学級数に加え予備1台で、習熟度別授業用パソコンは、校長経営戦略支援予算で購入するように指示されている。しかし、本校は小規模校で基本配布額が少なく、習熟度別授業が行われる家庭科室と図工室に自校で整備するのは、困難である。両教室には、昨年度の校長経営戦略支援予算加算配付で電子黒板を整備しているので、その有効活用のためにも授業用パソコンを整備したい。
3. 期待できる効果と検証
 本校では、平成25年から3年間の研究主題を「体験したことや調べたことをもとに、自分の考えをまとめたり、表現したりする力を育てる〜生活科・総合的な学習を通して〜」とし、昨年度は教科の枠を外して「自分の考えをもち、表現する力を育てる〜シンキングツールの活用を通して〜」として研究を積み重ねた。その成果として、児童に一定のコミュニケーション力やプレゼンテーション力が育ち始め、その力をさらに伸ばしていくためにICT機器の活用を今年度の研究主題に取り入れた。全学年の算数の学習でデジタル教科書を、他の学習でも書画カメラやタブレット端末を活用し始めている。今回のICT機器の拡充によって、コミュニケーション力やプレゼンテーション力の育成だけでなく、より深い学びを実現し学力の向上につなげることができる。また、児童がICT機器を必須アイテムとして使いこなし、これから社会を力強く生きぬく力を培うことが期待できる。 全教員は、この目標を達成するため研究授業を計画し、その授業の様子は、ホームページに掲載する。そして、年度末には、研究のまとめとして研究紀要を作成し、その成果と課題を検証する。さらに、児童と保護者にはアンケートを行い、「授業について興味・関心・意欲が向上した」と答える児童の割合を80%以上、「子どもは、言葉によるコミュニケーション能力が育ち、思いや考えを話したり書いたりすることができている」と答える保護者の割合を80%以上の回答を得られたか得られなかったかでこの取組を検証し、次年度の取組の進め方を検討していく。