大阪市教育委員会では、大阪市立学校活性化条例及び大阪市教育振興基本計画に基づき、個人、グループが取り組む学力向上をはじめとする子どもの「心豊かに力強く生き抜く力、未来を切り拓く力」の育成および、教員の資質や指導力の向上に向けた実践的な研究活動に対して、「がんばる先生支援事業」として支援をしています。
本校は今年度、この「がんばる先生支援事業」に応募し選定されました。本校の研究テーマは以下の通りです。  

テーマ:効果のある学校づくりで児童のウェル・ビーイングを保障する―主体的に活動し、他者と協働しながら学ぶ音楽科の授業づくりを通した教師力の育成―

ーマにある「効果のある学校」(effective school)とは、教育的に厳しい環境のもとにある子どもたちの基礎学力の底上げに成功している学校、すなわち、学力格差を克服している学校のことを表しています。
また、ウェルビーイング(well‐being)とは、現代的ソーシャルサービスの達成目標として、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。本校におけるウェルビーイングとは、人権尊重の精神を基盤とした以下の状態が保たれたことを表します。


(1) 豊かな人間関係(友だち関係 集団育成)…「みんな」に対応

(2) 健康で安心・安全な生活(健康的生活 体力の向上)…「元気に」に対応

(3) 学力保障(学力向上)…「わかった」「できた」に対応

すなわち、私が校長として着任して以来、一貫して言い続けている「みんな 元気に わかった できた」というのは、子どもたちのウェルビーイングの状態をめざしているものなのです。

 次に、研究の中心を「音楽科」としている理由についてですが、本校では数年前より「学力向上」を目指して国語科・算数科の研究に取組んできました。その結果、一定の成果を得ることはできましたが、一方で、自信のなさから自分の思いや考えを積極的に表現することが苦手であるという子どもたちの姿が見えてきました。  そこで、平成27(2015)年度に創立90周年を迎えることもあり、子どもたちがいきいきと歌唱を通して自分を表現することができるように音楽科の「歌唱」領域の研究に取組みました。11月29日に行った創立90周年記念式典では、子どもたち一人一人が自信を持って歌うことができました。式典に参加された皆さんからは、「すばらしい歌声でした」「迫力がありましたね」「子どもたちの歌声に感動しました」と称賛の言葉をいただきました。

今年度はさらに音楽科全般に取組み、次の4点について研究を深めます。
 1.児童相互の関わり … 自分の意見を伝えやすい雰囲気作り ペアやグループ活動の工夫
 2.言語活動の充実 … 音を聞き合い、アドバイスしたり意見を広めたりする。
 3.音楽への関心・意欲・態度の向上 … 常時活動を通して音楽を生活に取り込む。
 4.学びを支える、教員の指導・支援のあり方 … 指導の工夫 環境整備 ICTの活用

そして、理論研修会、授業研究会、実技研修会などの研究活動を通して、教員一人一人の指導力を向上させ、主体的に活動し協働しながら学ぶ子どもを育てることを目指しています。今後、研修会や発表会の案内も掲載してまいりますので、本校の教育活動と子どもたちに皆様のあたたかいご支援をいただきますようお願いいたします

      校長  中谷和博