大阪市総合教育センター

所長あいさつ

【大阪市教育センター】水口所長(写真)4.jpg

この4月から新型コロナウイルス感染症に関する学校園での対応が大きく変わり、5月には感染症の5類への変更も予定されているところです。この3年間は子どもたちに大きな制約、我慢を強いてきたところであり、そういう状況の中でも様々な工夫をこらしながら大阪市立各学校園において、教育活動が推進されてきました。

 世界を見渡しますと、紛争、内戦による緊張状態が続いている国や地域、また、地球規模での異常気象による災害も起きています。こういった国や地域では、安心して教育を受けること、さらに安全に生活を送ることすらできない子どもたちが多く存在することを忘れてはいけません。私たちは、教育者として、すべての子どもの命を大切にする教育を進めていかねばなりませんし、すべての子どもたちが安心して学べる環境をつくっていく必要があります。そして、地球規模にある課題を自分事としてとらえ、その解決に向けて自ら行動を起こす力を身に付けるための教育を推進していくことが必要だと感じています。

さて、本市では、令和4年度より、本市の教育行政の基本方針となる「大阪市教育振興基本計画」に基づいた取組を進めています。 本計画の基本理念である「全ての子どもが心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓く力を備え、健やかに成長し、自立した個人として自己を確立すること」 並びに「グローバル化が進展した世界において、多様な人々と協働しながら持続可能な社会を創造し、その担い手となること」の実現をめざして、3つの最重要目標「安全・安心な教育の推進」、「未来を切り拓く学力・体力の向上」、「学びを支える教育環境の充実」を定め、様々な施策を進めています。

この大阪市教育振興基本計画の基本的な方向性をふまえ、教育センターでは、研修・研究及び事業を推進するとともに、学校園教育のシンクタンクとして教員の授業力及び指導力の向上を支援してまいります。そして、「誰一人取り残さない学力の向上」をめざし、教員のニーズやキャリアステージに対応した研修内容の充実を図るとともに、教育実践のイノベーションにつながる研究を推進し、各校園での研究を支援してまいります。

また、令和6年度、本センターは、大阪教育大学天王寺キャンパス内に移転し、「大阪市総合教育センター」として生まれ変わります。大阪市総合教育センターでは、これまでの研究・研修をさらに充実させるべく、多様な大学、研究機関、企業等と連携し学校の教育課題の解決につなげるための調査研究、キャリアステージに対応した必要性と有用性の高い研修を実施します。さらに、シナジースクウェアを創設し、教員が学び続けることができるよう、大学教員や研究者、民間企業の方々など多様な人材が集い交流できる場を創り、本市における教育課題の解決を図っていきます。また、教育委員会や学校などの取組を積極的に広く発信することを通し、学校や教員を支える総合バックアップセンターとして本市の教育を発展させて「誰もが行きたくなるセンター」をめざして進めていきます。

今後も教育センターでは、全面的に学校園を支援するという使命のもと、新しい教育活動を創造するとともに、若手から中堅、ベテランの教員や管理職まで、さまざまなニーズや経験に応じた研修や事業の充実を図り、学校園教育の研究と修養の拠点として、本市の教育をリードすることができるよう力を尽くしてまいります。

令和5年4月1日
大阪市教育センター
所長 水口 裕輝