退任あいさつ
本日3月31日をもちまして神津小学校を退任します。2年間お世話になりました。
後任には西淀川区淀中学校より、 尾崎(山に「立つ」)士郎校長先生が赴任されます。 最後に本年度卒業式式辞の一部を掲載します。 神津小学校の益々の発展とみなさまのご多幸をお祈りいたします。 『みなさんは「もしもしカメよ…」の歌でおなじみの「ウサギとカメ」のお話を知っていますね。 動きが緩慢なカメに対して、ウサギが「どうしてそんなに遅いのか?」と挑発します。そう言われたカメは、「なんとおっしゃる、それならかけっこで勝負しよう。」と言い返し、最後はカメの勝利で終わります。 この話は、読み手にどんな教えを伝えようとしているのでしょうか。 カメをあなどり、油断して逆転されたウサギへの戒めでしょうか。それとも速さで全くかなわないのにこつこつと一生懸命に努力するカメへの称賛でしょうか? これからお話しするのは、加藤諦三さんという大学の先生が書いた本から学んだ解釈です。 まず、このウサギはカメをまったく認めていません。それなのにカメはウサギに認めてもらおうと全力を尽くそうとしました。 走ることはできないけど、カメには水の中でも生活できるし、そして何よりも長生きだという立派な特性があるにも関わらずです。 それを認めてくれる者が世間にいるはずなのに、残念ながら、物語のカメは気づいていません。 このように自分に自信のないとき、私たちは、自分を拒否する者にのみ注目してしまいます。そして、自分を認めていない者から認めてもらうために、自分の長所さえ否定することがあります。これは私たちが自信を失った時に犯しがちな誤りです。 自分を受け入れてくれる者が、実際にはこの世の中にいるのに気付かずにいるのです。 では、どうすればいいのでしょうか。 まず、「お前ほど、歩みののろい者はない、どうしてそんなにのろいのか?』と言われれば、「よけいなお世話だ」と応えればいいのです。そして、自分の良さを知る者の存在に目を向けるべきなのです。 残念ながら学校では、どれだけ知識を覚え、どれだけ決まった時間に思い出せるかを試す試験だけで、その人すべてを評価しがちです。でも、人にはそれ以外に、何かしらの特性があり、それを知ってくれる人も必ずいます。 まず、自分からそれを見つけましょう。謙遜するばかりでなく、また、うぬぼれるのではなく、得意と不得意を、自分の強みと弱みを理解し、胸を張って生きていけばいいのです。』 |