校長室より 5月12日(火)

 みなさん、おはようございます。校長の銭本です。
 毎日、学習をがんばっているみなさんは素晴らしいと思います。
 さて、みなさんががんばっている学習はざっくりと二つに分けられます。一つは暗記を行う学習、もう一つは問題解決を行う学習です。両方とも大切な学習なのですが、これからは問題解決を行う学習が特に大切になると言われています。
 問題解決をする学習というのは、習った知識を使って、新しい問題を解く学習です。問題解決には、「算数の応用問題を解くときのように、正解を見つける学習」と「総合的な学習や社会科・理科などで様々な情報を使って自分なりの考えを造り上げていく学習。つまり答えが一つとは限らない学習」があります。問題解決を行う学習が特に大切になると書きましたが、その中でも後の方の学習がさらに重要になると言われています。なぜなら、これからの社会はいろいろなことが起こり、今までに経験したことのない危機に直面するかもしれないからです。新型コロナウィルスの感染拡大もその一つです。

 答えが一つとは限らない学習の例をあげてみます。みなさんは交通安全のために信号を守って横断していますね。青は「すすめ」で、赤は「止まれ」ですね。では、黄色はどうするか。「黄色は注意」というのは知っていますね。でもどう注意をすればいいのか。答えは一つとは限りません。

 「たとえば、横断歩道を渡る直前に青が黄色になってしまったら、みなさんはどうしますか。」
 「止まって、赤が青になるのを待つ」とみなさんは答えてくれるでしょう。正解です。

 「じゃあ、横断している途中で黄色になったらどうしますか。」
 「えーっと、急いで向こうに渡る。」
 「一歩か二歩、渡っただけのときでも、向こうへ走って渡ってしまうの?」
 「そういうときは、戻る。戻った方が早いから。」
 「引き返すか渡りきるかはどうやって決めるの。」
 「半分以上渡っていたら向こう側へ急いで渡り、半分までだったら戻る。」
 「半分はどうやって決めるの?」
 「だいたい・・・。」
 「そのときは走って渡るの。歩くの。」
 「走って渡る。」
 「走ると転ぶ確率が高くなって危ないのではないかな。」

 信号が黄色に変わったとき、安全に横断歩道を渡るのにいろいろ考えます。考え方はいろいろあって正解は一つとは限りません。安全に渡りきる方法がすべて正解になります。
 
 「新型コロナウィルス感染拡大のために仕事をやめて自粛する」「自粛して仕事ができないと給料がもらえない」という二つの問題の狭間で大人は最適解(実行可能なもっともよい答え)を考えています。私たち教職員も「感染予防の為にみなさんには家で学習してもらう」「みなさんの学習を進めるためには学校に来てもらう」という問題の狭間で悩んでいます。これからの社会は一つの正解で問題解決をするのではなく、いろいろな条件を組み合わせ、バランスをとりながら問題解決する力が求められると思います。そのためには、考えることをあきらめず、粘り強く考える態度が大切です。

 登校日には「感染拡大予防」と「友だちや先生と親交を深める」ことのバランスを考えて、全員ではなく15人以下のクラスメイトが学級に入るようにしています。みなさんもこのバランスを考えて久しぶりの学校を楽しんでください。
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学校行事
5/5 こどもの日
5/6 振替休日
5/7 運動会練習開始
家庭訪問
1年視力検査
5/8 1・3・5年眼下検診
5/9 1・4年耳鼻科検診
3・6年内科検診
5/10 4年遠足
2・5年内科検診