創立記念日 SINCE 1952.6.18

お世話になりました!

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 上町中の校門の桜も、ようやく花を咲かせてきました。皆様方、すでにご存じのように、今月末で私、校長の笹田は定年退職を迎えます。4年間にわたり、上町中学校でお世話になり、子どもたち、保護者・地域の皆様方の温かさ、優しさで本当に助けていただきました。心より感謝申しあげます。4月からはまた別の世界で仕事をさせていただきますが、上中の皆さんの優しさは絶対に忘れません。
 次の学校長を含め上中に対しまして、今後とも深いご理解とご支援を引き続きよろしくお願いいたします。私のホームページへの記事の最後として、先日の卒業式の式辞を記載してお別れの言葉とさせていただきます。
 様々な面で、本当にありがとうございました!

平成30年度 第66回卒業証書授与式 
式辞
 一雨ごとに春の足音を感じるようになり、桜の花も少しずつ、つぼみを膨らませてきました。そんな良き日に、晴れの門出を迎えられた三年生の皆さん、卒業本当におめでとうございます。                           
 本日の卒業式には、みなさんの門出を祝って、公私何かとご多用の中を、地域・各種団体のご代表の皆様に、ご来賓としてたくさんお越しいただいています。  
 平素からの多大なるご支援と併せまして、高いところからではございますが、重ねて心より厚く御礼申しあげます。「ありがとうございます。」
 さて、先ほど、皆さんに手渡した卒業証書は、一見、同じように見えますが、3か所、他の人と違うところがあります。この式が終わったら、じっくり見てください。まず、右上の番号です。これはあなただけの番号です。上中の第1回卒業生から脈々とつながっている番号で、あなたも上町中の伝統の中にしっかり刻まれたということです。誇りに思ってほしいです。その次は名前です。保護者の方が、こんな子に育ってほしい、という強い願いと愛情を込めて付けてくださった尊い名前です。大切にしてほしいと思います。そして、その下に書かれている生年月日です。あなたが生まれた日です。あなたは覚えていないと思いますが、家族や親戚の人たちは、あなたの誕生をどれほど喜んでくれたことでしょう。夜泣きをした時、病気やけがをした時、お腹がすいた時、悩みを抱えている時など、いろんな形であなたに愛情を注いでくれたのは誰でしょうか。あなたの命が生まれた日から、今日のこの日まで、たくさんの方があなたを見守り、たくさんのことを与えてくれました。義務教育の卒業にあたり、まずは感謝の気持ちを自分の中でしっかり確認してください。
 君たち第66期生の三年間を振り返り、「どんな学年でした?」と聞かれたら、「穏やかで、優しく、仲間の痛みが分かり、仲間を大切にする、でも、まだまだ幼さの残る学年」と答えると思います。
 友だちが辛い思いをしている時、大きなプレッシャーで押しつぶされそうになっている時、また、新しい一歩を踏み出す勇気が持てない時など、常に仲間の支えがあったようですね。
 部活動のダブルスの試合中、大けがをし、途中棄権を余儀なくされ、ペアの子に申し訳ないという気持ちの中、自分自身も競技からの長期離脱を宣告され、日常生活も困難で、辛い辛い入院生活の時、毎日のように動画や音声を送ってくれたり、部活のみんながお見舞いに来てくれ、久しぶりに会えた嬉しさと驚きで思わず涙が出た。そんな友だちの励ましのおかげで辛い時期を乗り切ることができた、と当時を振り返っている66期生がいます。
 また、体育大会で団長になり、大きなプレッシャーで押しつぶされそうになった時、団の仲間たちが駆け寄ってくれて「最高の体育大会にしよな。」と励ましてくれ、本番では緊張を一切感じずに、チーム一丸となって全力で取り組み、自分自身も団対抗リレーのアンカーとしてゴールとともに倒れこむぐらい力を出し切り、結果は総合第2位で悔しかったけれど、仲間を思いやり、協力することができ、最高の体育大会にすることができたと、仲間の大切さを身に染みて感じ、学んだ66期生がいます。
 さらに、これまで大勢の前に立つことは避けてきた自分だったが、3年生の文化活動発表会の学年劇で、歌を歌うことになった幼馴染が「ピアノ伴奏をしてほしい。」と、強く誘ってくれ、思い切って挑戦することに決めたが、リハーサルでブルブル手が震え、足がガクガクとなり、みんなが作り上げた劇を壊してしまうような演奏になった。申し訳ないと思っている自分に周りのみんなは、「大丈夫。」「落ち着いて。」「頑張って。」と、とても温かい言葉をかけられ、本番ギリギリまで一生懸命練習し、本番では、とても良い演奏ができ、演奏後、歌を歌った幼馴染と抱き合いながら涙を流し、周りのみんなからも嬉しい言葉をたくさんもらうことができた。自分で勝手に作っていた限界を、仲間のおかげで乗り越えて、挑戦することができた、と自分自身の成長を支えてくれた仲間の存在を実感する66期生もいます。
 そして、いろんな思いを持って中3で上中に転校してきた66期生も感じています。
「上町に転校してから先生も優しく、クラスメイトも優しいです。学校がとても良い印象に変わりました。本当は、もっと早く上町中学に来たかったなと思います。自分が見えていた世界は、あまりにも狭くて暗かったですが、今はとても明るく広く輝いています。」と…。
 他にもたくさんの人が、上中で育んだ、かけがえのない仲間の絆、大切さを感じ、仲間への感謝の気持ちを持ってくれています。
 そんな素敵な66期生のみんなに、卒業のはなむけとして歌を贈りたいと思います。歌詞をしっかり聴いてほしいと思います。

 約束しよう ぼくらはいつまでも 
 仲のいい友だちでいると
 新しい風に吹かれて 心なびくとき 
 きっと君を思い出すよ
 時は流れて ぼくらは別々の 
 人生を 歩んでゆくけれど
 いつかどこかで 偶然出会ったなら
 心の底から語り合おう

 変わらない何かを 確かめあって生きたい
 いくつもの思いを 素直に伝えたい
 そんな仲間でいてほしい
 いくつ年をとっても 君は君でいてほしい

 これは、「そのままの君で」という歌で、仲間への変わらぬ絆、友情を歌ったものです。
「約束しよう ぼくらはいつまでも仲のいい友だちでいると」
66期生の皆さんも、今の友だちへの思いを忘れず、いつまでも仲のいい友だちでいてください。
「新しい風に吹かれて心なびくとき、きっと君を思い出すよ」
これから旅立つ新しい世界で、辛い時、心が折れそうになった時は、上中の仲間を思い出し、遠慮なく相談し合ってください。
「時は流れて ぼくらは別々の人生を 歩んでゆくけれど、いつかどこかで偶然出会ったなら 心の底から語り合おう」
卒業後、みんなは別々の道を歩いていきますが、街のどこかで出会ったら、上中時代の思い出話や、自分の近況を語り合ってください。
「変わらない何かを確かめあって生きたい。いくつもの思いを素直に伝えたい」
上中時代に培った、変わらぬ友情をいつも確かめ合って、自分の思いを素直に伝えあえる関係でいてください。
「そんな仲間でいてほしい。いくつ年をとっても。君は君でいてほしい」
そんな66期生の仲間でいてほしい、何歳になってもそんな関係でいてほしいと心から願っています。身体は成長し変化していくけれど、心の中は、今の純粋な君たちのままでいてください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、本当におめでとうございます。心よりお祝い申しあげます。立派に成長されたお子様の姿に、15年間の子育てを振り返った時、感慨もひとしおのことと拝察いたします。皆様の大切なお子様を3年間お預かりしてまいりました。ご期待に沿えなかった点もあったかと思いますが、お子様たちは優しく、逞しく成長し、今日の日を迎えることができました。これもひとえに保護者の皆様方の、ご理解とご協力があったおかげと深く感謝しております。今後とも、信頼される学校づくりを目指し、教職員一同努力してまいりますので、これからも一層のご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。
 それでは、第66期生の皆さん、いよいよお別れの時が近づいてきました。私の37年間の教員生活最後の卒業式を皆さんとともに迎えることができたことは、最高の幸せであり、誇りでもあります。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう。
 皆さん一人ひとりのこれからの活躍と幸せ、また、純粋な気持ちを忘れず、「そのままの君たち」でいてくれること、並びに、先生が3年間言い続けた、「相手の立場に立って考え、行動できる、思いやりのある人」に成長してくれることも併せて願うとともに、在校生の皆さん、これまでの上中卒業生、上中に関係する全ての人々の前途に幸多かれと心より祈念し、私の最後の式辞といたします。
平成31年3月14日 
                       大阪市立上町中学校
                       校長  笹田 文雄

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