校長室より 5月13日(水)

公開日
2020/05/13
更新日
2020/05/13

お知らせ

みなさん、おはようございます。校長の銭本です。
 今日は、水曜日。ずっと休校で家にいると「今日は、何曜日だっけ」と思うことはありませんか。昔、日本が戦争していたころ、戦艦や潜水艦に乗って大海原に出ていた船員は毎日同じ作業の繰り返しで、「今日は何曜日か」という曜日の感覚がなくなったそうです。曜日の感覚を持つことができるように、金曜日の夕食は決まってカレーライスにしたという話を聞いたことがあります。私は決まった日に決まったメニューというのはありませんが、週の半ば、つまり水曜日や木曜日になるとお好み焼きやたこ焼きが無性に食べたくなります。大阪人の証かもしれません。
 昨晩は録画しておいた「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」を観ました。英語ではMission:Impossible。つまりImpossible(不可能)という名のMission(作戦)に挑戦するトム・クルーズが演じる主人公イーサン・ハントのドラマシリーズです。今からお話することは、YouTube等でテーマ音楽を聴いてもらった方がより理解しやすいと思います。
 音楽には拍子があります。2拍子、3拍子、4拍子などの拍子を知っていると思います。2拍子は「12 12 12 12」と数えられる拍子。3拍子は「123 123 123」と数えられる拍子です。では、ミッション:インポッシブルのテーマ音楽は何拍子でしょう。実際、音楽に合わせて数えてみてください。
2拍子、3拍子、4拍子で数えても合わないでしょ。正解は5拍子です。「12345 12345 12345」と数えるとピタッとあいますよ。
 この曲の作曲者はラロ・シフリン。アルゼンチンの作曲家です。「ダーティーハリー」や「燃えよドラゴン」の映画音楽の作曲もしています。世間一般には、音楽の作曲は「豊かな情緒」を持った作曲家が曲の雰囲気やイメージを瞑想して行うと思われがちです。もちろん「豊かな情緒」やイメージをつくる才能も重要ですが、作曲という活動は化学の実験のようにいろいろな要素を混ぜ合わせて行います。
 「主人公イーサン・ハントがワクワクドキドキするMission(作戦)に挑戦」する雰囲気を出すのにふさわしい「曲の速さ」をどうするか。速いテンポの方がいいですね。「音の切れ味」は短く、アクセントがある方がいいですね。では、拍子は。映画を見ている人がドキドキする拍子。「12 12 12 12」と数えられる2拍子。なんだか行進をしているよう。ワクワク感はない。「123 123 123」という3拍子。何か優雅に踊っているよう。4拍子。活発な感じはするけれど、ドキドキ感はない。そこで登場するのが5拍子です。
 実は5拍子は3拍子と2拍子が合体した拍子です。「123 12 123 12・・・・」と数えます。これを繰り返すのですが、2拍子や3拍子に比べて、数えにくくありませんか。「123 12 123 12・・・・」の1のところだけ強く発音してください。「123 12 123 12・・・・」。ワクワク感が出てきたでしょう。
 音の高さはどうするか。楽器は何を使うかなど、様々な要素を実験しながら音楽を作り上げていく。これが作曲です。音楽を聴くとき、演奏するときに作曲者がどのような実験をして作曲したのかを探るのはとても楽しいです。
 「7拍子の曲ってあるんですか」という質問。いい質問です。ありますよ。内藤大助さんが出演している「長谷工」のCMソング。7拍子ですよ。数えてください。「1234 123 1234 123・・」ピッたりあいますよ。
いろいろな曲の「拍子当て」を楽しんでください。