校長室より 5月26日(火)

公開日
2020/05/26
更新日
2020/05/26

お知らせ

 みなさん おはようございます。校長の銭本です。
 緊急事態宣言解除をうけ、少しずつ学校での学習が再開できそうな雰囲気になってきました。といっても、感染拡大予防のためいろいろな配慮があり、多少、窮屈な思いをみなさんにはさせますが、大阪市全部の学校が取り組んでいることです。我慢してください。
 
 さて、ファッションに興味を持っている人がいると思います。おしゃれな服をデザインし、製作するデザイナーになってみたいと思っている人もいるかもしれません。今日は服だけでなく「新しい女性像」をデザインしたデザイナーを紹介したいと思います。その人の名前はココ・シャネル。「シャネル」の名前を聞いたことがあるかもしれません。
 1883年にフランスの田舎町で生まれたココ・シャネルはお母さんが12歳でなくなったために孤児院で過ごします。貧乏をしていたシャネルは誰にも頼らず、自分の力で生きたいと思いいろいろな仕事をします。その中で天職として出会ったのがデザイナーです。
 当時の女性のファッションはコルセットでぎゅうぎゅうにお腹を絞り上げ、すそを引きずって歩くような長いスカートをはき、頭には大きな羽飾りが付いた帽子をかぶり、バランスの悪い靴でよちよち歩くというものでした。こんな動きにくい服を着た貴婦人を男性はおしゃれな人と思っていたようです。 
 このような時代にシャネルはこのようなファッション界で常識となっていたルールを次々に破っていきました。女性の身体をコルセットで縛り付けるのをやめ、ゆったりとしたラインの動きやすい服をつくりました。すそをひきずるようなスカートも、膝丈にして歩きやすくしました。女性の服にポケットを付けたのもシャネルが最初です。無駄がなく、着心地のよい服をつくり、単なるおしゃれでなく着ている女性が喜ぶための服をつくりました。こうした斬新なファッションは時代の追い風をうけて世界中に広まりました。
 第1次世界大戦が勃発し、働き盛りの男性が戦争に行ったので、女性が働く必要が高まりました。動きやすくてファッショナブルな服はさらに評判になりました。それからはハンドバックや香水など次々と革命的なアイテムを発表し、世界中の女性をとりこにしました。
 1954年に71歳になったシャネルは社会進出を果たした女性のために「シャネル・スーツ」を発表し、働き自立する女性を応援しました。
 独自のファッション哲学で、女性をコルセットから開放し、女性に自立と自由を与えたココ・シャネルは洋服だけでなく「新しい女性像」をデザインした本物のデザイナーです。
 本田小学校から新しいファッション哲学を創造し、「新しい人間像」をデザインするデザイナーが誕生することを期待します。