親子で読書「最後のオオカミ」
- 公開日
- 2018/08/21
- 更新日
- 2018/08/24
お知らせ
新学期まで残すところ1週間を切りました。新学期の準備はできているでしょうか?
夏休みの読書感想文は済みましたか?読書感想文を書くことが目的ではなく、心に残る1冊の本との出会いが目的です。
今年の課題図書の中から「最後のオオカミ」(マイケル・モーパーゴ作:はら るい訳:黒須高峰絵:文研出版)を手に取ってみました。
あえて、この本の内容は詳しく書きませんが、「スコットランド最後のオオカミ、この石の近くで射殺さる。1746年4月24日」との一文がありました。
オオカミと言えば悪役のイメージで描かれることが多いのですが、はたしてそうなんでしょうか?「飢えたオオカミ」とは、生きるために必要なもの以上に獲物をとらない。オオカミはリーダーを中心に統率のとれた集団、狩りの際の連係プレーなど能力の高い動物です。また、集団の中で強いものは弱いものを庇護することなどが知られています。「オオカミ王ロボ」(シートン動物記)もそうでしたが、人間にとって手ごわいクレバーな動物であるがゆえに『悪役』とされてきたのではないでしょうか?
しかし、人間はオオカミの土地を奪い、オオカミを駆逐して、絶滅させましたが、そのことで生態系を壊してしまい、やがて天敵のいなくなった鹿などによる獣害が大きくなる事態を招いています。
本当に人間は正しかったのでしょうか?ある意味「残念ないきもの」こそが、人間かもしれません。このようなことについて、親子で考える良い機会を与えてくれる本です。(学校長)