第81回卒業式
- 公開日
- 2025/03/18
- 更新日
- 2025/03/18
お知らせ
式 辞
氷が張ったり雪が舞ったりした日もあった冬が去り、校庭の桜が今にも咲こうかという、春の空気が充ちているこのすばらしい日に、卒業式を行うことができ、喜ばしい限りです。何かとご多用の折に早朝より駆けつけ、ご出席賜りましたご来賓の皆様には、高いところからではございますが、心よりお礼申しあげます。また、これまで支え、見守っていただいたことを感謝いたしますとともに、これからもお導きいただきますよう、お願いいたします。
さて、今、卒業証書を手にした四十六名の皆さん、卒業、おめでとうございます。皆さんが小学生として学年全体で活動するのは、とうとう最後になりました。今は思い出とこれからの夢や希望などが胸にあふれているのではと思います。
先日、私は自分の中学校卒業五十年目の同窓会に出席しました。皆さんには想像しにくいかもしれませんが、私にも小学生中学生の時代があったわけで、五十年の節目を祝おうと声を上げてくれた同級生のおかげで、六十人近くが集まりました。何せ五十年も経っていて、卒業後もつきあいのあった人のほうが少ないうえに、姿形も変わっているし、忘れていることも多いし、遠く離れて生活している人もいるのです。なのに、驚くほどすんなりと時を超えて、小学校の話も中学校の話も、その後の人生の話もできてしまいました。それぞれが苦労したり頑張ったりしたことが、短い時間のうちに、一部分ではあっても分かってしまうのでした。さらに、これを機にこれからも交流を続けようという盛り上がりも生まれました。
皆さんはこれから、いくつかの別の中学校に進み、ひょっとしたら、もう共通の話をする機会がない人もいるかもしれません。だからこそ、小学校での思い出はなおさら貴重です。あの子はあの得意だったことを生かせればいいな、この子はこれを頑張っていけるのかなあと考えることが、仲間とのつながりを持ち続けることになります。先ほど全員が語ってくれた決意表明は、びっくりするぐらい永く憶えてくれている人がいるものです。そして、同じ中学校に進んだ人どうしは、是非そんなことを語りあってほしいと思います。
また、これまで以上に、まちがったことや失敗してしまったことも語りあえる仲間でいてほしいと思います。自分が失敗してしまったことは本音で語ってみてください。誰かのまちがいや失敗に気づいたら悪口を言うのではなく、本人が気づいて正しく直したり、素直に認めたりできるように、友情を持って声をかけてください。仲間の真剣な言葉は、きっと真剣に受けとめてもらえるはずです。また、真剣に受け止められる人になってほしいと思います。さらに大切なこととして、誰かのいいところ、よくできたことに気づいたら、相手に伝えてあげてください。人間は案外自分のいいところに自信がありません。ひとから言ってもらえるとうれしいし、自信が生まれます。お互いに伝えあえれば、誰もが自分を高めていけるのです、こんなことができる小学校・中学校での仲間とのつながりは、必ず、これからの人生の支えになり、豊かさにもなっていきます。五十年後にも喜びを実感できていることを願っています。
後になりましたが、保護者の皆様方、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。コロナ禍への対応も含めて、これまで、いろいろご苦労もおありだったことでしょう。手塩にかけて育てられたお子様の立派な姿は、誠に感慨深いことと拝察いたします。この六年間、本校教育活動へのご理解ご支援をいただきましたこと、厚くお礼申しあげます。
どうかこれからも、お子様の母校として、地域の学校としてお支えくださいますようお願いいたしまして、式辞といたします。
令和七年三月十八日