学校日記

先生は、近所のおじさん  (校長室だより vol.45)

公開日
2015/06/16
更新日
2015/06/16

校長室だより

 先日、ふとしたことから昔の出来事を思い出しました。20年以上前、長男の小学校入学を機に新しいマンションに移ったときのことです。
 1年後、マンションの子ども会会長を依頼されました。私が、教員であることを知ってのことでした。一度はお断りしましたが、地域貢献の必要性も感じていたのでお受けすることにしました。300軒以上ある大きなマンションです。子どもの数は、100人を優に超えていました。
 その会長時のある行事でのことです。私は颯爽と子どもたちを整列させようとしました。しかし、学校の様にはうまくいきません。結局、声をからすほどの大声を出し、相当な時間を要してようやく整列させることができました。
 教職経験10年を少し過ぎた30歳台後半。勤務校では、楽しい授業を心がけ、きびしい生活指導もして、脂の乗り切った頃と感じていました。しかし、子どもたちが言うことを聞いてくれていたのは、私の指導力の高さによるものではなく、両親や家族、地域の方々から「学校の先生の言うことは、しっかり聞きなさい。」などと小さいころから教育されていたからなんだと、そのとき初めてわかりました。自分の住まいの近くでは、近所の一人のおじさんなのです。
 研修でよく言われていた「子どもたちから学ぶ!」を実感した出来事でした。