令和は教育も進化する!
- 公開日
- 2019/05/01
- 更新日
- 2019/05/01
学校日記
令和元年5月1日(水)ホリデーコラム13
教員支援ネットワークT-KNITの理事である小勝さやかさんがシリコンバレー(アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンタクララバレーおよびその周辺地域の名称。この地域からはアップル、インテル、Google、Facebook、Yahooなどに代表されるインターネット関連企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっている場所)の小学校で目撃してきたMakerspace(メーカースペース)についてお話です!
Makerspace(メーカースペース)とは,ハイテクな機械から昔ながらの道具を用いながら,「つくる」「学ぶ」「探求する」「共有する」ということが体験でき,学校や図書館の中や分離型の施設にあるスペースのこと。このスペースは子供から大人,そして起業家に至るまで広く開かれており,3Dプリンターやレーザーカッター,コンピュータ機器,さらにははんだごてからミシン等の様々なメーカー(ものづくりをする人たち)のための装置が設置されています。しかしながら,メーカースペースはこれら全部を設置する必要はなく,たとえこれらが一つも無かったとしてもメーカースペースであると考えられることもあります。もしダンボールやレゴ,画材があるならそれでも大丈夫!何も無いところから何かを創り出したり,自分の興味関心について探求したりするというメーカーのマインドセットが,大切なメーカースペースの中心なのです。またメーカースペースは,科学,技術,工学,数学(頭文字をとってSTEMと呼ばれる)の領域において重要な21世紀型スキルを身につけることを助けます。ハンズオン学習(触って学ぶこと)の場を提供したり,クリティカルシンキングスキルを育てたり,さらには自己肯定感を高めたりするのです。
メーカースペースができた背景には「構築主義」という考え方があります。良く似たものに「構成主義」があり,これは「子供は知識を注ぎ込まれる存在ではなく,自分の頭の中で学びを構成する」という考え方です。「構築主義」はこの構成主義からさらに進んで,「学習は学習者の頭の中で起こるが,それらを実際に現実世界で構築する経験が効果的である」という考え方になっています。大人が明示的に知識を教えなくても,学びの場を提供することで子供は学びを自分で「構築する」ことができるのです。
子どもは「学びたい!知りたい!つくりたい!」存在です。そんな子どものありのままを引き出せる教育が「教えない教育」であり、「子どもが学ぶ、子ども同士が学び合う教育」ではないでしょうか!