ミライは予想を超える!
- 公開日
- 2019/05/03
- 更新日
- 2019/05/03
学校日記
令和元年5月3日(金)ホリデーコラム15
KIDSNA編集部の新連載企画『子どものミライ』#01では、食の当たり前を変えるべく開発を進めるオープンミールズ・プロジェクト発案者の榊良祐氏にインタビュー。食をデータ化して転送し世界中でシェアできる、新しい食スタイル。その構想から見えてくるミライについて考える。
私たちの身の回りの物事は日々、時代の流れや進化と共に変化を続けている。現に、スマートフォンや電気自動車など今や日常品となったアイテムは、一昔前の時代には存在していなかった。
進化する物事の中でも人間にとって必要不可欠なもの、そのうちのひとつが食文化といえるだろう。冷蔵庫やオーブン、自動調理器具など、食生活はより便利になり、インターネットの普及により世界中から食べたい商品のお取り寄せも可能になった。
その歩みは止まることなく、常に新しいテクノロジーにより前に進んでいる。では私たちの子どもたちが大人になった時、今の当たり前はどのような進化を遂げているのだろうか。
テレビアニメの世界で観ていたような、機械のボタンを押すと食べたい料理が目の前に出てくる、しかも自分の健康状態に最適化された栄養素で構成されるという、なんとも夢のようなマシンが開発されているという。そのマシンは2040年、今の子どもたちが成人をむかえたころに一家一台、食を中心としたウェルネスライフ全体を支えるパートナーとなるべくプロジェクトが進められている。
榊原氏曰く
「自分の中では、最低限ここまではできるだろう、というのはありました。ただ、このような全く新しいプロジェクトは、できるかどうかは本当に未知ですよね。だからといって動かないと、何もできない。今はベンチャー企業が増えましたが、彼らの構想は本当に成功するのかわからない。9割が失敗すると言われていて、成功者は1割。その1割になるために、構想を語り人と資金を集める。こうした仕事の進め方はこれからの時代、常識となってくるのではないでしょうか。教育する側の常識は一世代前の常識で考えているので、時代の流れに沿っているか、という疑問も生まれます。今の子どもたちが大人になったとき、食に対する正義やテクノロジーの進化によって、常識の基盤自体が変わっているかもしれません」
今の食の常識から理解しようとすると、疑問や懸念点が出てしまうのは当然かもしれない。当たり前だと思っているものが徐々に形を変えていく中で、常識や価値観の変化を自然と受け入れるようになり、まだ見たことのないミライはそうやって作られていくのかもしれない。
榊原氏曰く
「既に始まりつつありますが、個人がいろいろな物事、例えば企業や組織、住む場所などに縛られない社会になっているでしょうね。ヘルスデータを自己管理することも含め、自分のあらゆる情報を自分で管理する時代になると思います。仕事のやり方も変わるでしょう。既に情報を発信できるツールが豊富に存在し、情報も技術も均一化されつつある中で、自分が持っている構想や技術をパワーのある企業が先に始めてしまったら意味がなくなってしまう。だからこそ、自分の持っているものを公開して、それに賛同し一緒に作り上げてくれる人たちが集まる"オープンイノベーション"のやり方が今よりもさらに進むと思います。
こうした社会では、自分で考え選び取り行動する力が必要となります。子どもたちが柔軟にミライを生きるためにも、この能力は身につけさせていきたいですね」
子どものミライは、今の大人がつくります。その大人が過去にとらわれることなく、先を見通すこと、そして、自分で考え、自分から動くこと!子どもは大人を見ています!