私の職業体験 その2
- 公開日
- 2013/06/27
- 更新日
- 2013/06/27
校長室
(某鉄工所・技術専門校) 全寮制
中学校卒業後すぐに、全寮制の会社に入社しました。午前中は、工業系の授業が大半、午後は旋盤を作るための基礎・基本の実技実習の日々でした。初心者は、鉄工所というところでは徹底して基礎・基本の訓練をやります。右の手のひら真ん中が皮がめくれ真っ赤かで、左手の親指外側の皮もなくなり骨が見えている。(ヤスリがけとハンマーで鋼を用いて鉄削り)
作業台と万力の下は、ほとんど血で染まるほど厳しい訓練の日々でした。血が出ているとか皮が剥ぎ取れたとか言っても作業をやめさせてくれることはありませんでした。中には、腹が立って指導教官にハンマーを持って殴りかかるような実習生もいました。
三度の食事は、食堂に全員が集合します。自慢げにお互いが両手を見せびらかせたことが懐かしい。このような訓練を乗り越えて、上達も早く二月もすれば血を見ることは、めったにありませんでした。こんな日々を過ごす中、教官からは、「旋盤を製作する鉄工所が世界中の人々にどれだけ貢献しているか、わが社はアジアで一番の鉄工所であり世界一も間近である。君たちの成長いかんにかかっている」などの講義も受け楽しい日々でした。また、技能オリンピックで優勝した先輩方がかなりいましたからとても励みになり、自分も近いうちに優勝したいという夢も膨らんできました。
そして、気分転換に午後五時以降は、部活動も充実していて野球部・サッカー部・陸上競技部に入り順番に活動をこなしていました。体験入部だったかな。
それなのに三ヶ月で退社、退学を決意しました。
理由は、楽しくても不安が募るものです。自分の一番得意な教科「体育・スポーツ」を伸ばすために大学に行きたいと悩み始めたからでした。鉄工所での一生を過ごすか、体育の分野で自分の力がどれだけのものか挑戦したかったからです。両親にも相談したら自分の人生だから自分で決めたらいいと後押しをしてくれました。中学生のときに考えられなかったことで、進路担当の先生には、大変迷惑をかけたことを思い出します。
次の職業体験は、アルバイトでバスの車掌、トラック助手、塗装工などの経験を書きます。