美術科授業 3年生 ゲルニカ鑑賞2組 感性爆裂!50分
- 公開日
- 2015/07/06
- 更新日
- 2015/07/06
美術科
美術科では評価の観点に4観点があります。第4番目の観点の鑑賞授業を7月3日(金)の2限に多目的室で行いました。
3年生の鑑賞の最初は巨匠ピカソの「ゲルニカ」です。教科書の見開きページに掲載されているピカソの写真と谷川俊太郎さんの「生きる」の詩を朗読してもらいました。何の前触れもなく「ゲルニカ」の作品をじっと見つめます。鑑賞のポイントは「1,しっかり作品を観ること。2,真面目に考えること。真面目に考えた意見ならどんな意見を発言してもいいこと。3,友達の意見をよく聞くこと。4,ワークシートに記入するときに絵の中の色や形を具体的に挙げて根拠をはっきりさせて自分の意見や思いを考えること。」です。
多目的室の中には机は設置しません。椅子に出席番号が張ってあって、それに座ります。「先生、床に座っていい?」と聞く数人。当然ワークシートに記入するためOKです
。
「絵の中に描かれているものは?」の質問にさっそく「これは戦争の絵や。」「腕が傷だらけになって落ちている。」「母親が死んだ子どもを抱いて悲しがっている。」などの本質をつく意見がどんどん出ます。
今回はワークシートに「この場面の温度、湿度、匂い、風」などを想像して書いてもらいました。「暑くて湿っている。」「乾いて寒い。」「血の匂いがする。」「無臭」色々な意見が出ました。
中澤さんの「ここは洞窟の中で、血がぽたぽた天井から落ちている。」硴塚君の「これは戦争の絵で動物や人が死んでいる。外には爆撃の音が鳴っている。」などの鋭い意見が出ます。寺崎さんは「この絵は死界。戦後。死んで埋められた死体が動き出している。」などまるでマイケル・ジャクソンの「スリラー」の映像のような意見を発言します。
その中で井上さんは「絵の中のシャッターの外から伸びている手は色々ある手の中で唯一傷ついていないから気になる。」と指摘してくれました。
提出したワークシートを読んでみると佐布さんの「傷ついた手、苦しそうな人、動物が描かれているところから、パッと見、すごい残酷そうな絵に見えたけれど、ろうそく(光)の方に生きてる人が向かっていっているところから希望(?)みたいなものも表していると思った。ピカソは絶望の中の希望というものも描きたかったんじゃなかったかなぁと思った。」と書いている。
大人の見えていない本質は子どもたちはすっと一直線に指摘する。とても深い観方です。秋山さんの「みんなが行き場がないのにどこかに行こうとしている部分は無意識に動いているように見えたから。なぜかついている電灯は誰がつけたんだろう?」という意見。短い言葉ですが、ワークシートの中には宝石のような言葉が他にもいっぱい。
侮れません!中学生。