学校日記

大阪市PTAだよりから

公開日
2024/12/23
更新日
2024/12/23

できごと

「大阪市PTAだより」の記事を一部紹介します。
(スクールカウンセラー(SC)からの報告、12月20日発行大阪PTAだより第786号より抜粋)

〜子どもの意欲を育む『25%ルール』〜

 普段、中学校や小学校でお仕事をさせていただいていると、いろんな親子に出会うことがあります。相談内容は様々ですが、スクールカウンセラーのところに来てくださる保護者さんの中には、お子さんとの関わりについて相談に来られる方がおられます。以前、相談に来られた保護者さんは、お子さんがゲームばかりして、宿題や身の回りの片付け、準備などするべきことをなかなかせず、忘れ物をしたり物をよく失くしたりなど物の管理も苦手だと相談に来られたことがありました。注意してもなかなか行動は改善されず、何度か声かけをすると、怒ってかんしゃくを起こすことがあるようでした。毎日ほとんど同じ状況のようでしたが、たまに家の手伝いをしたり、声をかけられる前に自ら行動したりすることがあるようでした。
 一般的には、お子さんの良いところを”褒めましょう”と言われることがありますが、保護者さんの中には、褒めると言われてもどのように褒めていいのか分からなかったり、褒めるところがないと感じていたり、褒めると甘えてしまわないかと心配をされたりすることがあります。
 重要なのは”褒めるタイミング”です。『25%ルール』というのを聞いたことがあるでしょうか?保護者さんの中には、宿題を全部やったら褒める、片付けが終わったら褒めるなどと思っていても、なかなかお子さん一人で全部できずに途中で終わってしまう、なんてことがよくあります。そこで大切なのは、『25%ルール』です。全部できた状態が100%としたら、25%の時点でお子さんの行動を褒めるということです。野球で有名な大谷選手でも打率3割を超えればすごいと言われますが、打率100%の選手はいません。お子さんの100%を待っていると難しいかもしれませんが、お子さんの25%の行動は日々たくさんあると思います。宿題を取りかかろうと準備をしたタイミング、物を片付けようと散らばったものを集めようとしたタイミングなど、行動の最初の段階が一番重要です。そのタイミングで褒めることで、お子さんのやろうとした気持ち、意欲を持続させることができると言われています。
 ”褒める”ことは、お子さんの意欲や頑張ろうとした気持ちの芽生えを育てるとともに、保護者さんがいつもお子さんのことを見守り、お子さんの小さな変化に気づいているというサインになります。ぜひ、お子さんの行動を『25%ルール』で見守りながら、お子さんの意欲の芽を育ててあげてください。
(スクールカウンセラー三浦理子)