新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
四月から二か月、ようやくこの日が来ました。本当に長い日々お待たせしました。もうすっかり夏で気分はすでに中学生になってくれていると思います。
新型コロナウイルス感染症の防止という理由で世界中が時間が止まったようになってしまい、この阪南中学校でもようやくその真価を発揮するときが来ました。今日から正真正銘皆さんはその一員です。勉強に部活動に精いっぱい力を注ぎ、今日までの分を取り返すほどの中身の充実した学校生活を送りましょう。
さて、皆さんが入学したこの阪南中学校はじつは大阪市内でも有数の伝統校として高く評価されています。私自身この阪南中学校に来たのは昨年ですが、先輩たちは常に全力で何事にも向き合っていました。その結果学力では大阪府の中でもトップクラスの成績を収め、部活動でも優秀な成績を収め毎週月曜日には多くの部活動の表彰状を伝達しました。
では伝統という言葉はどういう学校についてくるのでしょうか。それは一年や二年頑張っただけではついてきません。十年、二十年と皆さんの先輩たちがこの学校に誇りと愛着を持ち、上級生の良きところを見習い改善すべき点は改め積み重ね、長い年月をかけてようやく出来上がったものそれが伝統となるのです。
もちろん皆さん一人ひとり顔も違えば、性格も違います。これまで十二年間の経験もまた違います。そうみんな違うのです。ですが、ここというときにみんなが力を合わせ、自分の考えとは違ってもみんなが決めた目標に向かって一致団結して突き進む。それが大きな力を生み、素晴らしい結果を残す。その繰り返しを先輩たちが続けてきて今の伝統校阪南中学校があるのです。
おそらく皆さんの家族にもこの阪南中学校の卒業生であるという人はたくさんいるでしょう。そう、おじいさん、おばあさんからお父さんお母さん、そしてお兄さんやお姉さんからバトンをつないできていよいよ皆さんの出番です。皆さんの母校であるこの阪南中学校の伝統を守りつつ、あらたな伝統への積み上げを誇りを胸に持ち続け、がんばってください。
令和二年六月十五日 大阪市立阪南中学校 校長 高島裕二