毎月、月の初めの集会では月の異名のお話をしていますが、12月は「師走」と言われます。「師走」漢字で書けますか。教師の師という字に、走るという字を書きます。なぜ、「師走」というか、師は僧侶、お坊さんのことですね。その僧侶が走り回るくらい忙しくなるからという説、この説はすでに平安時代の書物に見られるそうです。次に「年が果てる」、1年が終わるということです。年が果てる→としはつ→しわすと変化したという説など諸説あり、本当の語源はよくわからないというのが本当のようです。
さて、今週の木曜10日は「人権デー」です。この「人権デー」はどんな日かというと、今から67年前の1948年、多くの尊い命が失われ、悲劇と破壊を生み出した第二次世界大戦の反省から、差別を撤廃し人権を確立することが平和につながるという考えのもと、国連総会で「世界人権宣言」が決議された日です。そして、毎年12月4日から10日までを「人権週間」として、人権について考えようという週間になっています。
本年度の人権週間の活動重点目標は「みんなで築こう 人権の世紀 〜考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心〜」となっています。
人権というと難しいような気がしますが、すべての人に保障されている「人間らしく生きる権利」のことで、ここにいる全ての人が平等に持っている権利といえます。
21世紀は人権の世紀になるだろうといわれていました。しかし、現在のわが国には、数々の人権にかかわる問題があることも事実です。一つ一つお話をする時間は今日はありませんが、その中でも、みんなに一番身近な問題と言えば、いじめの問題ではないかと思います。今の中学生の中では、最初はいじめとまでは言えないかもしれない、ちょっとした嫌味や陰口、さりげない無視、そういったことから次第にエスカレートしていき、いじめに発展するというケースが多いそうです。
有名な言葉に「言うは水に字を描くが如し、聞くは石に字を刻むがごとし」というものがあります。意味は、水に指で字を描いてもすぐに消えてしまうように言う人は軽い気持ちで言ったのですぐに忘れる。しかし、言われた人は、石に字を刻んだらずっと消えないように、いつまでも心の傷として残るということです。言葉だけでなく行動も同じです。
ここにいる人は、みんな違います。一人一人が異なる個性を持っているわけです。今年の人権週間のスローガン、「考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心」を持って、「自分にされて嫌なことは、人にしない」そういう気持ちを絶えず持っておいてほしいと思います。
校 長 山 崎 英 志