今日で2学期が終了します。暑かった8月25日から始まった長い2学期でしたが、落ち着いて振り返ってみて自分の成長が感じられるでしょうか。体は努力しないでも自然に成長していきますが、心や学力はそうはいきません。新年を迎えるにあたって、しっかりと自分自身を見つめ、2学期をそしてこの1年を振り返ってみてほしいと思います。
このように時間に区切りをつけられるのは人間だけです。他の動物には年末年始は関係ありません。これは人間のすばらしい知恵とも言えます。時間は止まることなく連続して流れています。その連続して流れる時間を区切るのが、年が変わる、つまり新年を迎えるという事です。木にできる年輪に似ているとも言えます。
人間は、このように流れ続ける時間に区切りをつけ、その機会に謙虚に自分自身を振り返り、改めることは改め、新たな目標を立てることで自己を向上させてきたわけです。新たな目標と言っても今までの目標を変えなさいということではありません。人間の生活は日常的な繰り返しの中でさまざまなことを経験しながら少しずつ目標に向かって進歩成長しているのが普通だからです。時間に区切りをつけることによって、継続的で関連のある目標をより質を高めながら設定していくということが大切だと思います。
先日テレビを見ていますと、ある有名な和菓子屋さんの社長さんがインタビューを受けていました。その会社の一番人気の和菓子について、お客さんから「いつも変わらずおいしいですね」と言われてうれしい思いをしているけれど、実は見た目は全く同じお菓子でも、毎年少しずつ味を変えていると言っていました。何もしないで同じ味のままだと「おいしくなくなった」と言われるそうです。同じ味のものを食べ続けていれば、その味がごく普通の味になってしまい特段においしいとものだとう感覚ではなくなってしまい、逆に「まずくなった」と感じてしまうということです。
なるほどなぁと思ったのですが、このことは私たちの生き方にも通じることだと思います。ある目標をクリアしたら、さらにその上に一段質の高い継続的な目標を設定して取り組むことは、人間として進歩成長を促していくうえで極めて大切だということです。そのよい機会がこの年末年始です。年末年始はどうしても気が緩みがちになります。時間を大切に充実した冬休みにしてほしいと思います。
校 長 山 崎 英 志