2月に入って初めての集会です。1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言われるように、この3カ月は月日の経つのが早く感じられると言われますが、本当にそんな気がします。
先週の水曜日、3日は節分でした。節分はどんな日かというと、それぞれの季節が終わる日、つまり4日が立春でしたから、冬から春へと季節が変わるという日です。日本には四季があるわけですから、節分は本来なら1年に4回あるはずですけれども、現在では立春の前の日を節分というようになっています。
さて、3年生で私立高校を受験する人はいよいよ水曜日が本番となりました。大学の入学試験も真っ盛りという時期でもあります。
先日、ある大学の先生が書かれた文章を読みました。大学の入学試験では90分という試験時間のテストもあります。高校入試ではないと思いますが、大学の入試では一定の時間が過ぎれば教室を出て行っても良いというところもあります。何人かの受験生が退出していっているときに、ある受験生がさっとティッシュを取り出し、自分の机の上の消しゴムのかすを集めてティッシュに収め、立ち上がって目礼をしてから静かに教室を出て行ったそうです。その先生は思わず、その受験生の答案に書かれた名前を確かめに行かれたそうです。
消しゴムのかすをそのままにしておくのも、きれいに片づけて席を立つのも本人の自由です。今の世の中を見ていると、自分さえよければいい、自分の立場を守るためなら他人はどうなってもかまわないと思っている人が多くなっているような気がします。
確かに、人間はしんどいことから逃げたい、面倒なことはしたくない、自分中心に生きようという傾向があります。しかし、人間らしく、よりよく生きるということは、このような傾向と闘うことでもあります。したくてもしてはいけないことはしない、したくなくてもすべきことはする。安易に流れやすい自分と闘い、面倒でもしようという気持ちを持つことが、みんなを人間として成長させることにつながります。頭の片隅に置いておいてほしいと思います。
本番を迎える3年生の皆さん、しっかりがんばってください。
校 長 山 崎 英 志