1年生を迎え、今日から新たな学年、学級がスタートします。まずは、心をしっかりとリセットしてください。「心機一転」という言葉を知っていると思います。「何かをきっかけにしてすっかり気持ちが入れ替わり、良い方向に変わること」ということです。新しい学年になったこの機会に、「心機一転」して、気持ちを新たにしてスタートしてほしいと思います。先生たちも、転勤や退職した先生方を送り出し、新しい先生方を迎えて、「心機一転」みんなといっしょに頑張っていこうと決意を新たにしています。
さて、4月の当初、大変きれいに咲いていた桜の花も、今年は開花が早かったこともあり、すっかり葉桜になっています。桜が美しく咲き誇る期間は、本当に短い間です。その短い期間に、桜の木全体が花でおおわれ、春が来たこと、新しい学年が始まることを実感させてくれます。
桜の木は花が散ると、すぐに来年の春に花を咲かせるための準備を始めるそうです。花が散るとやわらかな若葉を茂らせ、だんだんと葉の色を濃くし、木を成長させていきます。秋には、葉は色づき、やがて散ってしまいます。桜の花のつぼみはその頃にはついていて、冬の寒い間じっと耐え、養分を蓄え、やがて来る春を待ちます。そして、また、次の春に美しい花を咲かせるわけです。
皆さんは、これから新しい学年で1年を過ごします。桜の花のように、来年の今頃、さらに成長し美しい花を咲かせるためには、何が必要でしょうか。今、お話ししたように、桜の木は美しい花を咲かせるという目標に向かって、1年間準備し成長していきます。皆さんも、しっかりと目標を立て、その目標を達成するためには何をしなければならないのかを考え、着実に実行していってほしいと思います。目標は、先のことでなくても、1日2時間勉強するといったことでもかまいません。継続することが重要です。
美しい花を咲かせるためのもう一つの条件は、根を張る土です。土が悪ければ、美しい花は咲きません。皆さんにとって、土にあたるものは何か。それは、生活態度です。基本的生活習慣とも言います。生活態度をきちんとし、心を耕さないと、みんなの持っている可能性や才能は枯れてしまいます。
朝、決まった時間に起きて、きちんと朝食を取り、時間の余裕を持って登校する。挨拶と返事をしっかりし、一時間一時間の授業を大切にし、清掃や学校行事に全力で取り組む。部活動をする人は、休まずしっかりと頑張り、家に帰れば、遊びたい気持ちを抑えて、決まった時間しっかりと勉強し、次の日の準備をして決まった時間に寝る。この当たり前のことを繰り返すことが、皆さんを大きく成長させ、美しい花を咲かせる栄養たっぷりの土になります。目標を定め、生活習慣をしっかりと身につけ、大きく成長できるよう頑張ってほしいと思います。
最後になりましたが、明後日11日の水曜日に、北ヨーロッパのエストニア共和国の首都タリンから、校長先生方37名が阪南中学校に視察に来られます。エストニア語では、こんにちはのことを「テレ」というそうです。新学期が始まったところですが、みんなの頑張っている姿を見せてあげてください。