9/10 お昼の放送スペシャル 解説編
- 公開日
- 2018/09/10
- 更新日
- 2018/09/10
お知らせ
春の牡丹餅(ぼたもち)・秋のお萩(はぎ)の名前の変化について
牡丹餅の餅はお正月の餅と違って、臼(うす)と杵(きね)でぺったんとぺったんと搗(つ)くわけではありません。すりこぎでつぶして作ります。だから、音がしません。隣近所の人は、いつ餅を搗いたのか知りません。
そういうところから「搗き知らず」というようになりました。
この「搗き」という字が「着き」に変わり、「着き知らず」となります。
夜の船はいつ着いたか誰も知らない、ということで夏の牡丹餅は「夜船(よふね)」と呼ばれるようになります。
冬になると「搗き知らず」の「搗き」が「月」に変わり、「月知らず」となります。
月を知らない=月がどこにあるのかわからない=月が見えないのは北の窓から空を見た時、ということで、冬の牡丹餅は「北窓(きたまど)」となりました。
夏:「搗き知らず」⇒「着き知らず」⇒夜船(よふね)
冬:「搗き知らず」⇒「月知らず」」⇒北窓(きたまど)
つぶしたお餅にあんこをまぶしたお菓子に、季節の花の名前を付け、しゃれた遊び心も合わせながら風情のある呼び名を考える、そんな日本の心に詫び寂び粋を感じます。