尾添先生がよく「さわやか」についてお話をなさっていますが、先週、とてもさわやかな気分になったことがあったので紹介したいと思います。
帰りの電車でのことです。座席はほぼ埋まり、空席はほぼありませんでした。次の駅に停車すれば大勢の人が乗ってきます。駅に着き、若い男性が座席を確保するために急いで乗車してきました。若いのにそんなに座りたいのかなと見ていると、後から乗ってきた身重で大きなおなかをした奥さんを手招きし、その席に座らせてあげていました。それだけでも心和むことですが、奥さんの隣に座っていた、自分が席を譲ってもらえるぐらいの初老の紳士が、「横についておいてあげなさい」とさっと立ち上がって、男性に席をゆずったのです。それが本当にさりげなく自然な感じだったので、先生にはとてもさわやかに感じられました。自分も人にやさしいこんな人になりたいと思いましたし、阪南中学校のみんなにも、こんな優しい気持ちを持った人になってほしいと思いましたのでお話しさせてもらいました。
さて、先生方の研究授業で皆さんの教室に入らせてもらっています。みんなしっかりと授業を受けてくれていますが、1年生の授業の後のあいさつ、「ありがとうございました」ですが、少し遅いのが気になりました。誰が言い出すのを待っていませんか。
2年生3年生の皆さんには以前お話ししましたら覚えていてくれると思いますが、「ファーストペンギン」のお話をしたいと思います。
「ファーストペンギン」とは、群れの中で最初に水に飛び込むペンギンを指す言葉です。南極の氷の上で暮らすペンギンが生きていくためには、時々水の中に飛び込んで、魚を捕る必要があります。ところが、水の中には、シャチやトドなどの肉食獣がペンギンたちを狙っています。飛び込もうかどうかと迷っているペンギンの群れの中で、「我に続け」と真っ先に飛び込むペンギンのことを「ファーストペンギン」と言います。ペンギンは群れの中でファーストペンギンが飛び込むと、次々に水の中に飛び込んでいきます。そんな映像をテレビなどでみたことがあるでしょう。
最初に飛び込むペンギンは、水の中に天敵がいるかもわからない中で、とても勇気がいります。つまり、ファーストペンギンが一番勇気があるということです。
金曜日に生徒会役員の演説会がありました。その時に担当の島原先生から、立候補者はとても勇気があるというお話がありました。阪南中学校の「ファーストペンギン」です。
授業中、先生が質問された時、自分も分かっているのに周りを見て、誰かが手を挙げてからと待っていませんか。授業のはじめや終わりの挨拶で、誰かの「お願いします」「ありがとうございました」の「お」や「あ」の声を待っていませんか。
一人一人がファーストペンギンの気概を持って、がんばってほしいと思います。