今週の一冊22 11/23この本は、2011年3月11日の 震災の絶望から、 宮城県石巻市にある日本の出版紙の四割を製造していた日本製紙石巻工場が、わずか半年で8号抄紙機を稼働させるまでを描いたノンフィクションです。 この8号抄紙機は、単行本や、文庫本の本文用紙、コミック用紙を製造しており、高度な専門性を持ったこの抄紙機で製造される紙は、他の工場では作れないものも多く、「出版業界が8号を待っている」と言わしめるほどのものでした。 震災時、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的な状況であったにもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員たちの闘いが始まりました。食料を入手するのも容易ではなく、電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めましたが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くしました。 この本は震災時の困難な状況を知る事は勿論、私達が手にする本の裏側、そして何よりも仕事に対する誇りや責任、熱い思いがひしひしと伝わってくる、素晴らしい一冊です。あっという間に読み終えること間違いありません。是非読んでみてください。 |
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