百人一首交流戦に向けてさて、百人一首には、「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香(か)ににほひける」という歌があります。この歌を詠んだのは、『土佐日記』の著者でもある紀貫之という人物です。みなさんは、歴史の授業で、『古今和歌集』の撰者として習ったかもしれません。 紀貫之は、いまの和歌山県から京都の自宅に帰る途中、うっかり馬に乗ったまま神社(蟻通神社:大阪府泉佐野市)の境内に入ってしまいます(防寒着を脱がずに他人の部屋に入るぐらい、神さまに対して失礼な行為です)。 したがって、天罰(?)があたり、馬が倒れてしまいます。その際に、紀貫之は頭にかぶっていた冠を池に落としてしまいました。困っていたところ、偶然通りかかった農民が池にずぶずぶ入って冠を拾います。 この農民に感謝した紀貫之は、お礼に「冠」という名前を授けました。これが泉州地域(南大阪)に多い、冠という苗字の由来だといわれています。 覚えるのが苦手だという方は、このように詠み人や歌の内容を調べてみてはどうでしょうか。覚えやすくなるかもしれません。 |