校長室より 4月30日(木)

みなさん、おはようございます。校長の銭本です。
 ホームページを毎日読んでもらっていること、うれしく思います。漢字の間違いまで指摘してくれる人がいて感謝しています。「学校再開」が「再会」になっていました。みなさんに早く会いたいという気持ちが、パソコンに伝わったのかもしれません。ウソです。全くのいいわけです。
 昨晩、チャンネルを回していたら「1億人の大質問!?笑ってこらえて」という番組がありました。豊田ホタルの里ミュージアム下関でナメクジやホタルと向き合う学芸員の川野敬介さんが紹介されていました。ナメクジというちょっと気味悪い生物にとてつもない愛情を持ちながら没頭して探究する姿は、滑稽でもあり、うらやましくもあり、すてきだなと思いました。
 みなさんには、夢中になって没頭できることとか、ぜひやってみたい、挑戦してみたいということはありますか。
 子どものころからの夢が「バッタに食べられたい」という変わった昆虫学者がいます。前野ウルド浩太郎さんです。小学生の頃に読んだ科学雑誌の記事で、外国で大量発生したバッタを見学していた女性観光客がバッタの大群に巻き込まれ、緑色の服を喰われてしまったことを知り、バッタに恐怖を覚えると同時に、その女性をうらやましく思ったそうです。この時点で相当変わった人だなと思いますが、なぜうらやましいと思ったのか不思議ですね。小学生のころから「ファーブル昆虫記」に感銘をうけ、将来は昆虫学者になろうと心にちかっていたため、虫にたかられるのがうらやましいと思ったそうです。前野さんは昆虫の中でも特にバッタに興味を持ったようで、あまりにもバッタに多く触れたため「バッタアレルギー」になったというエピソードもある方です。
 最近、ニュースでも扱われていますが、サバクトビバッタというアフリカで大量発生し農作物を喰い荒らす恐ろしいバッタがいます。数匹だったらかわいいバッタだそうですが、数百万匹という大量発生した時には「神の罰」と恐れられるほどの猛威を振るい、農作物を喰いつくすそうです。一日に100キロメートルも移動するバッタで、今年はアフリカから中東、インドを超え、中国の国境近くまでこのバッタが飛来しているというニュースが報道されていました。このサバクトビバッタの防除技術の開発のためにアフリカのモーリタニアで研究した前野さんの実録が「バッタを倒しにアフリカへ」という書籍にまとめられています。
前野さんは、「バッタに食べられたい」という夢をかなえられたのでしょうか。
 「バッタを倒しにアフリカへ」の344ページから少し抜粋して紹介します。
 「バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。夕方、日の光に赤みが増したころ、風向きが変わり、大群が進路を変え、低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。翅音は悲鳴のように重苦しく大気を震わせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。この時を待っていた。群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。『さあ、むさぼり喰うがよい』」
 この後、前野さんの夢は・・・・。内緒です。
 
 小学生のころのちょっとしたきっかけで生まれる夢は、その後の人生に大きな影響をもたらすことがあります。私の長男は「ウナギ」に興味をもち、30歳過ぎまで「ウナギ」の研究をしていました。いろいろなチャンスに恵まれ、ウナギ研究の大家塚本勝巳先生に、研究調査船 白鵬丸に乗船させてもらい、世界初の日本ウナギの卵の発見というビッグイベントに出合うことができました。
今、みなさんの胸の内にあるちょっとした「夢」を大切にしてください。そこにはみなさんが一生をかけて夢中になることができる何かがあると思います。

文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

本田っ子

学校評価

交通安全マップ

全国学力学習状況調査

全国体力運動能力調査

新規カテゴリ

コロナ対策休業中の文書