こころのそうじ
今日の児童朝会の校長先生のお話です。
むかし、むかし、インドという国に、一人のお坊さんがいました。このお坊さんは、なかなか物が覚えることができなくて、そういう自分が情けなくなり、お師匠様の所へ行って「私はもうお坊さんをやめたいです。」と相談しました。 すると、お師匠様は「何も心配をすることはありません」といって、彼に一本のほうきを渡し、「これできれいにすることをがんばりなさい。」とおっしゃいました。 お坊さんは、それから何年間も掃除をし続けました。ある日、いつものように庭掃除をしていると、お師匠が来て、「ずいぶんときれいになりましたね。だけど一か所だけ、きたないところがあります。」とおっしゃったのです。 そこで、お坊さんは「お師匠様、いったいどこがきたないのですか?」と尋ねましたが、お師匠様は教えてはくれませんでした。 「はて、いったいどこがきたないのだろう?」と思いながら、それからもずっとそうじをし続けたのです。 ある時、子どもたちが遊んでいて、お坊さんがせっかくきれいにしたところを汚してしまいました。お坊さんはせっかくそうじをしたのに…と大声で怒鳴ってしまいました。 「こらっ!どうしてよごすんだ!」 その瞬間、お坊さんは一番よごれているものに気が付いたのです。それは、自分の心だったのです。 その時、お師匠様が、お坊さんの後ろに立っていて「これで全部きれいになりましたね。」とおっしゃってくれたのです。 そうじをするということは、「そうじなんていやだ、めんどくさい」「さぼりたい」などという心や「人のことを悪く言ったり、威張ったりしたい」という「汚い心の中の汚れ」をきれいにすることなんだと、お坊さんはその時、気づいたのです。 お師匠様の教えの意味が分かったお坊さんは、それからも、ますますそうじに精を出し、人から尊敬をされる立派なお坊さんになったということです。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 確かにそうじを一生懸命すると、すがすがしく、心も洗われるような気持ちになりますね。 子ども達も、1年の締めくくりにそうじを一生懸命して、学校も自分の心もきれいにして新しい年を迎えてほしいと思います。 |