9月号
いよいよ二学期です!
長い夏休みが終わり、学校には元気な子どもたちの声がかえってきました。みんなそろって二学期が迎えられたことは、本当に嬉しく思います。猛暑日が続く暑い夏でしたが、プール指導、育和おどり、校庭キャンプ等にはたくさんの子どもたちが参加していました。さまざまな貴重な体験の中で新たな気づきや発見があったことと思います。お世話になったPTAならびに地域の皆様ありがとうございました。 いよいよ二学期です。二学期にはたくさんの学校行事が予定されています。運動会の練習も始まります。目標に向かって精一杯がんばる姿、苦しくても、くじけそうになってもあきらめずにやりきっていく姿。そのような姿を子どもたち一人一人が、これからたくさん見せてくれるものと期待しています。 さて、今回は子どものよさに気づき、可能性を引き出すための寓話として「ひび割れ壺」の話を紹介します。 子どもの可能性を引き出すには・・・「ひび割れ壺」の話 インドに水汲みを仕事にしている男がいました。彼は、二つの壺を持っていました。一つは、ひびの入った壺、もう一つは水を一滴も漏らさない完璧な壺。彼は、天秤棒の端にそれぞれの壺をさげ、水をご主人様の家まで運びます。ひび割れ壺は男が水をいっぱい入れてくれても、ご主人様の家に着く頃には水は半分になっているのです。完璧な壺は、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら、彼が作られたその本来の目的をいつも達成することができたからです。ひび割れ壺は、いつも自分を恥じていました。なぜなら、彼が作られたその本来の目的を、彼は半分しか達成することができなかったからです。 2年が過ぎ、すっかり惨めになっていたひび割れ壺は、ある日、川のほとりで水汲みの男に話しかけました。「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまないと思っている。」「なぜ、そんなふうに思うの?」水汲みの男はたずねました。「この2 年間、私はこのひびのせいで、あなたのご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。水がこぼれてしまうから、あなたがどんなに努力をしてもそれが報われることがない。私はそれがつらいんだ。」ひび割れ壺は言いました。 水汲みの男は、ひび割れ壺を気の毒に思い、そして言ったのです。「道端の花に気づいたかい?花が君の側にしか咲いていないのに、気づいたかい?ぼくは君からこぼれ落ちる水に気づいて、君が通る側に花の種をまいたんだ。そして、きみは毎日、ぼくたちが小川から帰る途中、水をまいてくれた。この2年間、ぼくはご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。君があるがままの君じゃなかったら、ぼくは、この美しい花でご主人様の食卓を飾ることはできなかったんだよ。」 ひび割れ壺は、いつも道端に水をこぼし、半分の仕事しかできない自分を恥じていました。しかし、ひびのおかげで、ご主人様の家に飾る花を育てることができました。そのひびに気づいてくれた人がいたから・・・。 菅原裕子著:「思春期の子どもの心のコーチング」より 私たちもこのひび割れ壷のようにたくさんの欠点を持っています。でも、自分や子どものひびを責めるのではなく、それを受け止めて、これからも子どもたちの未来への可能性を伸ばしていけるような努力をしなければいけないと思っています。 校長 安 藤 直 |
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