10月号
もうすぐ「育和フェスティバル」!
朝夕めっきり涼しくなり、秋の訪れを感じる季節となりました。学校では、9月30日(土)に行う「育和フェスティバル」の準備を進めています。「育和フェスティバル」とは、子どもたちが各学級で考えた模擬店を出し、たてわり班でお店を巡るという児童会が中心となって行う活動のことです。保護者・地域の皆様も参加できますので、どうぞ遠慮なくご来校ください。どうぞよろしくお願いいたします。 私の一番のお気に入りの読み物教材『「正直」五十円分』! 2018(平成30)年度から小学校では「道徳」が「特別の教科 道徳」となり教科化されます。 今は、さまざまな道徳の副読本がありますが、来年度からは検定を受けた教科書が使われることになります。今回は、私が今までの教員生活の中で一番気に入っている道徳の読み物教材を紹介したいと思います。それは、「正直」の大切さを気づかせる『「正直」五十円分』というお話です。 『「正直」五十円分』 主人公のたけしと弟のあつしは、野球の練習の帰りにジュースを買いにお店へ行きます。おばちゃんにお金を渡し、お釣りをもらった後、しばらくしてからおつりが五十円足りないことに気付きます。二人は、おばちゃんにそのことを打ち明け、お釣りを返してもらいます。 別の日、二人は、たこ焼きを買いに行きますが、買った直後に、釣り銭が五十円多いことに気付きます。しかし、後ろから来た人に押しのけられ、そのまま財布に釣り銭を入れてしまいます。 たこ焼きを食べながら、正直に伝えに行くべきなのか、そのままにしておくべきなのか、たけしは弟と悩みます。悩んだ末に最後は正直に言いに行くというお話です。さてその結末は? 「おっちゃん、さっきのおつり、まちごうとったで。」 「そうか。ごめんな。いくら足らんかったんや。」 「ちがうんや。五十円多かったから返しに来たんや。」 おっちゃんは、たこ焼きにソースをぬっていた手を止めて、目を丸くしました。 「おつりが少なかったと言われることはあっても、多かったと返し来たのは、ぼくら兄弟が初めてやで。ありがたく、受けとらせてもらいます。」 まじめな顔をしたおっちゃんは、頭を下げて五十円玉を両手で受け取りました。見ていたお客さんたちから、拍手が起こりました。 「お客さん方、おそれ入りますが、ちょっとお待ちください。」 おっちゃんは、そう言うと、できたでのたこ焼きを三こずつわりばしにさすと、ソースをぬって二人に渡しました。 「はい。これは、二人の『正直』五十円分に対する、おっちゃんのうれしい気持ちの表現や。」 「兄ちゃん、『正直』五十円分,おいしいな。」 「もちろんや。」「正直」五十円分のたこ焼きを食べながら、二人は、夕焼けの道を家へ帰っていきました。「正直」に行動することは、周りの人もすがすがしい気分にさせるというお話です。 日本では今後も、さらに少子高齢化や人口減というさまざまな事態が進むにつれ、これまでなかったような難題が次々と発生することが予想されます。道徳の教科化という改革によって教育がどのように変化するのかを注視するとともに、学校、家庭、地域社会の中でも子どもの道徳性を育む取り組みに力を注いでいかなければならないと思っています。上記のようなお話がいつまでも道徳の教科書に載るような、そんな教育界の未来であってほしいと願っています。 校長 安 藤 直 |