6月号
もうすぐ「育和フェスティバル」!
少しずつ日差しが強くなり、夏の訪れを感じる季節となりました。学校では、6月23日(土)に行う「育和フェスティバル」の準備を進めています。「育和フェスティバル」とは、子どもたちが各学級で考えた模擬店を出し、たてわり班でそのお店を巡るという児童会が中心となって行うイベントのことです。1年生の子どもたちにとっては、入学して初めて経験する大きな行事です。多少のトラブルがあるかも知れませんが、さまざまな経験を通して、集団で協力していくことの楽しさや難しさ、大切さについても学んでほしいと考えています。「育和フェスティバル」には、保護者・地域の皆様も参加できますので、どうぞご来校くださいますよう、お願い申し上げます。 「虹色のチョーク」から学ぶ!人間の究極の四つの幸せとは? 少し前に話題になった「虹色のチョーク」という本をご存知でしょうか?わたしたち教師の商売道具ともいうべきチョークの生産において国内最大のシェアを誇る、日本理化学工業という会社の取り組みを小松成美さんがまとめたノンフィクションです。日本理化学工業は、日本全国6000社の企業の中からたった5社だけ選ばれて「日本で一番大切にしたい会社」という本に紹介され有名になった会社です。その後、テレビ番組(世界一受けたい授業)でも取り上げられたのでご存知の方は多いと思います。 なぜ日本理科学工業が、このように注目を集めたのかと言えば、全従業員の7 割が障がいのある人だからです。その人たち全員が生産ラインを担って、責任を果たしているという点です。ひとり一人の社員が、並外れた集中力と誠実な仕事ぶりで着実に業績を挙げ、チョークを製造するメーカーで今や国内の50%のシェアを占めるまでに成長した会社なのです。 しかし、会社が成長する過程において、さまざまな課題や困難、葛藤もあったようです。経営者としてぶれない信念があった先代社長、そして、そのあとを引き継いだ現社長が、障がいのある社員を信頼し、責任ある仕事を任せ続けたことで、社員たちもその期待に応える仕事をしたため、着実に成長を遂げたというのですが・・・・。 先代社長は、一時期「このまま障がいのある人を雇い続けていていいのか。それは彼らに無理強いをしていることになっていないだろうか。」と自問自答し、悶々としていた時期があったそうです。しかし、その頃に出会ったある住職の法話の中に、解決につながるヒントを見つけたというのです。その法話の中に「人としての究極の四つの幸せ」というくだりがあり、それを会社経営の中に生かすことで迷いは消え去ったというのです。 その四つとは、1.人に愛されること 2.人に褒められること 3.人の役に立つこと 4.人から必要とされること、であるというのです。これで人は十分幸せに働けるというのです。 この究極の四つの幸せは、まさに教育、子育てにもあてはまるものではないでしょうか。簡単に言えば、『子どもを愛すること「あなたのこと、大好きやで。」、子どもを褒めること「よう、頑張ったなあ。」、子どもに自分が人の役に立っていると実感させること「ありがとう、助かったわ。」、子どもに人から必要とされているということを伝えること「あなたがいてくれな困るわ。おってくれて良かった。」』ということを伝えることです。最近の子ども達は、自己有用感・自己肯定感が低いと言われます。一人ひとりが唯一無二の存在であり、かけがえのない存在であるということを、これからも育和小学校の子どもたちに学校やおうちで伝え続けていくことがとても大切なことだと思っています。ちなみに日本理科学工業のチョークが育和小学校にもありました。そのチョークは、今日も各教室で活躍しています。 校長 安 藤 直 |
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