第49回卒業証書授与式【式辞】
第49回卒業式を行いました。校長の式辞全文を掲載します。
式 辞 49期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。中庭の桜の芽も膨らみ、陽ざしにも春の訪れを感じる、この佳き日に、大阪市立長吉西中学校を、巣立っていく皆さんに、教職員を代表して、心からお祝い申し上げます。 また、本日、本校第49回卒業式を挙行致しましたところ、ご来賓の皆様には、公私共ご多用の中、早朝よりご臨席賜り、巣立ちゆく生徒の門出を祝福していただき、誠にありがとうございます。高いところからではありますが、厚くお礼を申しあげます。 そして、何よりも今日の日を楽しみに待ち望んでこられました、卒業生の保護者のみな様にお祝いを申しあげます。 みな様には、長い間、本校教育の推進にご理解とご協力を賜り、ありがとうございました。今後も、本校が、地域の学校として、より良い教育が推進できますよう、変わりないご支援とご協力をお願い申しあげます。 ただ今、209名の生徒に卒業証書を授与しました。 卒業証書を受け取るその顔は、卒業するにあたっての不安をいだきながらも、その瞳は、未来を見つめ、輝いているように見えました。 新たな生活に向かって旅立つみなさんに心よりお祝いを申しあげます。 さて、卒業生のみなさん、この3年間に多くのことを学び、また、多くの体験をしてきたことと思います。私自身が校長として赴任しての最初の大きな行事である入学式で初めて君たちに対面しました。そういう意味でも、非常に印象深い学年であったわけです。そして、多くの場面で君たちの頑張っている姿を見てきました。 一泊移住も一緒に行きましたね。また、無理を言って「社会科の授業 大仏開眼」をさせてもらいました。その時は、私が久しぶりの授業にもかかわらず暖かく迎えてくれましたね。そのほかでも授業に真剣に取り組む姿や部活動での活躍や修学旅行での君たちの楽しい様子などを目の当たりにしてきました。 その中でも、体育大会では、最上級生としてのプライドをかけて各種目に取り組みました。特に、面接練習でも、多くの人が「大変だったが、それがあったからこそ団結できた」と答えていた、学年競技である「ムカデ競争」では、協力し合うことの難しさを学び、その困難を乗り越えた時の喜び、感動が素晴らしいものであることを、実感したと思います。 協力することにより、自分のため、みんなのために、全力を出し切るという体験は、これからの人生において、大きな自信となることでしょう。 ここで、卒業に際して、君たちにはなむけの言葉を贈りたいと思います。 それは、「正しい努力をすれば、おのずと成功の扉は開かれる」という言葉です。 これまでも全校集会などで折に触れ、これに関連した話をしてきたつもりです。 一例として、ピョンチャンオリンピックのスピードスケートやカーリング種目は、良いコーチがいて、そして選手がその教えを理解して、努力したからこそ、あのような素晴らしい成績を収めることができたのです。ぜひともエビデンス-科学的根拠に基づいた「正しい努力」をしていってください。 さて、この式辞を作るに際して、昨年の卒業式式辞を読み返してみました。そこでは、「AI時代の到来」のお話をしました。内容は、AIに負けない能力を身につけることの重要性を説いたのですが、それは具体的には、どういうことなのか、もう少し伝えたかったという思いが残りました。この、一年、その答えをと探していたところあるテレビ番組に出会いました。それは、「ロボットは東大に入れるか(東ロボ)」プロジェクトで知られる人工知能(AI)の研究チームが「AIは東大入試を突破できない」という結論に達したという内容のものでした。 囲碁の世界や将棋の世界では、もう人間を太刀打ちできないところまで追いつめたAIが、なぜ東大入試に合格できないのでしょうか。 それは「読解力」の差でした。そして、どのようにプログラミングしても、AIは「読解力」を伸ばすことができないと判断されたからです。 その結果、この研究チームは東ロボプロジェクトをやめて、これからは生身の子どもが「読解力」を身につけるためにはどうしたらいいのかという、プロジェクトを立ち上げると研究主題の変更を決定しました。 これらのことから導き出されるのは、これから人間がAIに立ち向かって行くには、「読解力」を身につけ伸ばしていくことがとても重要であるということなのでしょう。 しかしながら、読解力を身につけるということは、そんな簡単なことではありません。少なくとも、AIが不得意な「推論」「イメージ」「具体例」の三分野のスキルを上げることが重要です。そして、それは何よりも、やみくもにやるのではなく、「正しい努力」をすることが絶対条件なのです。 お別れの時が近づいてきました。 卒業生のみなさん、まずは前を向いて歩いていってください。しばらくの間は振り返らずいろんなことに挑戦してください。 そして、そして、どうしても思い悩んで、くじけそうになったときは、中学校を訪ねてください。長吉西中学校は、いつまでもみなさんの母校なのですから。 卒業生の前途に、幸多かれと祈り、この49期生に関わってくださったすべての方々に感謝を申しあげ、式辞といたします。 平成31年3月14日 大阪市立長吉西中学校長 福井 司 卒業式にむけて受験が終わった3年生のみなさんは、連日式の練習を行っています。卒業する3年生のために、今日は在校生で大掃除を行い、会場の準備を行いました。 明日は、天気に恵まれそうです。素晴らしい卒業式になることでしょう。 防災訓練4防災訓練3防災訓練2 |
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