すべての子どもを見守る!4月14日放送の「林先生の初耳学SP」(TBS系)で林修先生が“今最も会いたい教育者”と対談された番組ご覧になられましたか? この日、林先生が訪ねたのは東京都千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長。「宿題の廃止」「定期テストの廃止」「クラス担任制の廃止」といった大胆な教育改革を次々と実行し、今最も注目を集める教育者です。 麹町中学校では宿題と定期テストを廃止し、その代わりに単元ごとの「単元テスト」を実施しているといいます。この単元テストは生徒からの申し出があれば再テストも可能なため、生徒は点数が取れなかった箇所がわかるまで自主的に復習します。それこそが、宿題と定期テストを廃止した狙いだそうです。 「(漢字や英単語の書き取りなどの)宿題なんて意味ない」という工藤校長の主張に、林先生も「僕もそれはずっと言い続けてます」と意気投合。「勉強はやらされているうちは成績伸びないですよ」としみじみ語られていました。 また、2018年からは、新たに「クラス担任制」を廃止して「全員担任制」に取り組まれています。「全員担任制」とは、学年ごとの全てのスタッフが全ての生徒に目を配り、問題が起きたときにはその問題にもっとも適した先生が対処にあたるシステムです。工藤校長によれば、全員担任制の最大のメリットは「人のせいにしなくなる」ことだといいます。 クラスの責任者を固定しないことで、生徒たちは“担任のせい”にできなくなり、自分たちで問題を解決しようとし始めます。また、職員室でも先生一人ひとりが当事者意識を持ち、問題を抱える生徒について積極的に意見交換をするようになったそうです。 「教育をよくしていくためにはすべての大人が当事者でなければいけないし、もっと言えば子ども自身が、自分たちが当事者になるっていう仕組みを作っていかないと。人のせいにすることだけを覚える子どもばかりになりますよね」と工藤校長。クラス担任に責任が集中しやすい現代教育制度に警鐘を鳴らしています。 さらに、工藤校長は「日本社会全体でこの“当事者意識”が薄れているんではないか」「そこを変えるためには、小さい頃から教育を通じて子供たちに当事者意識を持ってもらうことが一番大事じゃないか」とおっしゃっていました。 桜小学校のめざす大人のひとつ「すべての子どもを全教職員で見守る」とは、まさにこの当事者意識を持つことです!責任を薄めるのではなく、みんながその子のことを知ることが、その子に安心感を与え、居場所ができるのです! 答えを持たずに!ある塾の先生が授業の前に今の気持ちを子どもたちにたずねました。すると子どもたちは「学校で叱られて、へこんだ」「今、やる気ない」など、さまざまな答えが返ってきました。先生はその子どもの声を「そうなんだね」と聞き、言いたいことが出尽くすと授業を始めました。 これは「クリアリング」という手で、ポイントは否定も肯定もせず、受容することです。相手が言いたいことを全部話したと感じるまで続けることです。この時間があることで、子どもたちの感情が落ち着き、集中力が増すのだそうです。 私たちは、つい子どもの気持ちを聴かないうちに安易に励ましたり、アドバイスをしたりしがちです。しかし、気持ちを受容してもらうだけで子どもは安心感を覚え、落ち着いて前向きに考えられるようになるのではないでしょうか。また、話を聴いてもらったという満足感も、子どもを目の前の課題に取り組む気持ちにさせるのです。 桜小学校のめざす大人のひとつ!「子どもから学ぶ大人」にとって必要なこと、それも受容すること!さらに「子どもの声にならない声を聴くこと」です。まさにこの「クリアリング」ですよね!子どもが相談してきた時に、「答えを持たずに」傾聴してみませんか? 実行あるのみ!みなさん!週末はいかがお過ごしでしょうか?桜の季節も終わり、汗ばむ季節となりました!今日は快適なお天気の中、修学旅行の下見に和歌山白浜方面に行ってきました。子どもたちの「3つの風船」を大きく膨らませることのできる修学旅行をつくります! さて、新年度が始まって3週間が経とうとしています。子どもたちは概ね元気に学校生活を過ごしています。ただこの季節になってもまだインフルエンザの波が止まっていません。どうぞ手洗いやうがいの励行を忘れないでください。 学校では今年度の目標の中に、「手洗いの徹底」を掲げています。「自分の体は自分が守る」「となりの人の命を大切にする」実行あるのみです! 無題先程の続編で、同じく東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉学長の汐見稔幸先生のお話です。 これからはAI(人工知能)時代になっていきます。だからこそ、コンピュータが考えられない感性や思考力が重宝されます。親は子どもが絵を描いているときに、「なんで葉っぱを赤で描くの?夏の葉っぱは緑でしょ」などといった声をかけるのではなく、「どうしてこう描いたの? 教えて!」と聞いてみたり、「おもしろいねー」と共感したり。その子のこだわりを否定せずに認めてあげることが大事です。また、「ママはこう思うよ。あなたはどう思う?」というある意味対等な会話をすることです。そうやっていくことで、子どもも一生懸命考え、必然的に思考力が伸びていきます。 思考力があれば、AI時代も生きていけます。面倒なことはAIに任せ、我々は楽しめばいいのです(笑)。 そういう時代になるのであれば、機械ではできない発想のおもしろさやこだわりを大事にしたいですね。 まさにその通りだと思います。もし、労働力をAIが賄う時代となり、ベーシックインカム(最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策)が実施されれば、「生きる意味」や「生きる目的」を一人一人が自分ごととして、しっかりと考える感性や思考力が必要となります。まさに、「自分で考え、自分から動く」!この力が必要です! 目に見えない力!東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉学長の汐見稔幸先生の家庭でできる「非認知能力の伸ばし方」についてのお話です。 「非認知能力」とは、決められたことを粛々とこなすのではなく、生活の中で工夫する体験や、遊びの中で育むことができるスキルです。たとえば、遊びの手順を考える、試行錯誤する、没頭する…これらの 体験は、すべて「非認知能力」を伸ばすために役立ちます。また、子ども同士で相談したり、頼ったり、頼ら れたりする体験も、社会性やコミュニケーション力、対人関係力などに結びつきます。日常の遊びや生活の 中で伸ばしていける力なので、子どもと丁寧に会話したり、一緒になって遊んだり、何かものを作ったりす る体験をたくさんすることがおすすめです。 「非認知能力」は「目に見えない学力」です。点数など「目に見える学力」も大切かもしれませんが、それ以上にというか、その根本にはこの「目に見えない学力」が大切になると思います。桜小学校のめざす3つの風船も、この「目に見えない学力」です。どうぞ、ご家庭でも「自分も人も大切にすること」「自分で考え、自分から動くこと」「失敗を恐れずに、チャレンジすること」を常に意識してほしいです。 |
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