安心できる居場所って?不登校の生徒を抱えた家庭の新たな一歩を応援するコミュニティ「イクミナル」を運営する加藤佳子さんが、不登校の生徒に「今の学校のどんなところに違和感を覚えますか?」と尋ねたアンケートに、以下のような声が集まった。 子どもたちの声 ○わからないことを「わからない」「教えて」と言いにくい雰囲気があって、置いてきぼりになること ○一度授業で遅れると、あとは我慢するしかないこと ○先生の言葉が絶対的なところ ○興味を持ったことがあっても、それを学ぶ時間がないこと ○見た目で判断され、目立つと先生に怒られること ○「個性が大事」と言いながら、それを認めてくれる場がないこと ○軍隊みたいなところ ○保健室も「疲れた」という理由だけでは使えないこと ○教室のドアがいったん閉まったら二度と出られない「監禁」のようなルールがあって、トイレにも行きにくいこと これらの声は、大人数の教室で先生が授業を進めていく中で、「どうやって生徒たちをコントロールすればいいか」という観点で作られた昔ながらの学校システムと、今の生徒が持っているリアルな社会の感覚とのズレから生まれた「悲鳴」と言ってもいいと思う。 もちろん、すべての学校で同じような悲鳴が上がっているわけではないし、全国の多くの先生が生徒たちの幸せを願って教育や指導をしているとは思うけれど、こうした昔ながらの学校システムに苦しんでいる生徒がいることも事実である。 その結果が、小中学校で約14万人、高校で約5万人という不登校の生徒を生み出している。いじめや病気、けが、家庭の事情など不登校になった原因は他にもあるかもしれないけれど、このアンケートを見るかぎりでは、今の学校システムに強い違和感を抱いているといってもよさそうである。 学校はすべての子どもが安心して過ごすことのできる場所でなければならない。そのためには、これまでの学校のあたりまえを見直していく必要がある。そして、学校とリアルな社会との差がどんどん広がっていることを自覚しなければならない。例えば学校には、答えが明確な問題に対して正しい答えに導いてくれる先生がいるが、リアルな社会では、課題は自分で見つけるものであり、その答えは決して一つではない。 これからの変化の激しい時代においては、学校でも答えのない問いを問い続ける子ども、自分で考え、自分から動く子どもを育てていかなければならない。 令和は教育も進化する!教員支援ネットワークT-KNITの理事である小勝さやかさんがシリコンバレー(アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンタクララバレーおよびその周辺地域の名称。この地域からはアップル、インテル、Google、Facebook、Yahooなどに代表されるインターネット関連企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっている場所)の小学校で目撃してきたMakerspace(メーカースペース)についてお話です! Makerspace(メーカースペース)とは,ハイテクな機械から昔ながらの道具を用いながら,「つくる」「学ぶ」「探求する」「共有する」ということが体験でき,学校や図書館の中や分離型の施設にあるスペースのこと。このスペースは子供から大人,そして起業家に至るまで広く開かれており,3Dプリンターやレーザーカッター,コンピュータ機器,さらにははんだごてからミシン等の様々なメーカー(ものづくりをする人たち)のための装置が設置されています。しかしながら,メーカースペースはこれら全部を設置する必要はなく,たとえこれらが一つも無かったとしてもメーカースペースであると考えられることもあります。もしダンボールやレゴ,画材があるならそれでも大丈夫!何も無いところから何かを創り出したり,自分の興味関心について探求したりするというメーカーのマインドセットが,大切なメーカースペースの中心なのです。またメーカースペースは,科学,技術,工学,数学(頭文字をとってSTEMと呼ばれる)の領域において重要な21世紀型スキルを身につけることを助けます。ハンズオン学習(触って学ぶこと)の場を提供したり,クリティカルシンキングスキルを育てたり,さらには自己肯定感を高めたりするのです。 メーカースペースができた背景には「構築主義」という考え方があります。良く似たものに「構成主義」があり,これは「子供は知識を注ぎ込まれる存在ではなく,自分の頭の中で学びを構成する」という考え方です。「構築主義」はこの構成主義からさらに進んで,「学習は学習者の頭の中で起こるが,それらを実際に現実世界で構築する経験が効果的である」という考え方になっています。大人が明示的に知識を教えなくても,学びの場を提供することで子供は学びを自分で「構築する」ことができるのです。 子どもは「学びたい!知りたい!つくりたい!」存在です。そんな子どものありのままを引き出せる教育が「教えない教育」であり、「子どもが学ぶ、子ども同士が学び合う教育」ではないでしょうか! 令和は進化がさらに加速!某新聞社の朝刊記事が目に留まりました。その一節より、 大阪市営地下鉄が民営化した大阪メトロが、2025年大阪.関西万博を見据え、令和6(2024)年度に全駅で顔認証によるチケットレス入場システムを導入すると発表した。定期券を買うときなどに顔写真を登録しておけば、ICカードや磁気券を持たなくても改札機を通過できる。 「ゆくゆくは改札機をなくしたい」同社の河井英明社長は、は22日の大阪で行われた講演でこう意気込んだ。 大阪で自動改札システムが昭和42年に世界に先駆けて本格的に導入されて半世紀余り、万博を機に、国内初の顔認証での入場方式の採用で再び最先端技術をアピールする。 日本でも技術の進歩に伴い顔認証によるキャッシュレス決済が普及している。スマートフォンで顔の画像とクレジットカードの情報を登録しておけば、チケットなしで識別カメラが設置されたレーンを通るだけで入場できたり、手ぶらで買い物や食事が楽しめたりする施設も登場している。 ただ、顔と結びついた個人の購買や移動の情報が特定企業などに蓄積されるだけに一抹の不安も残る。(中略)便利さと監視社会は表裏一体なのかもしれない。 これタイトルは「顔で払う時代」です。日本はキャッシュレス文化ではかなり遅れをとっています。しかし、これからの社会においては、どんどんキャッシュレス化は進行していくでしょう!メルペイやペイペイなどなど支払い手段が多発しています!何を選び、利用するかは個人の判断に委ねられています。そして、新聞記事の最後にもあるように、国民の行動が見られていることが、果たして安心安全なのか?世の中を動かしている大きな組織の存在が見え隠れしているようで、危惧されることもあるようです。最新の情報に常にアンテナを張り、情報に振り回されることなく、いつも自分で考える癖をつけておくことが重要です! 新しい時代の幕開け!いよいよあと数時間で平成が終わりを迎えます。なんだか寂しさを感じます。と同時に、新しい年である令和の始まりに胸躍ります。目の前の環境は変わりませんが、心の持ち方はいくらでも変えることができます。自分で考えて、自分から動く、主体性を持って、新しい時代を迎えたいです。 さて、4月最後の全校朝会で、「自主的と主体的の違いは?」という大人でも難しいテーマにチャレンジしました。(詳しくはホームぺージの4月22日をご覧ください) これらの言葉は似ているようで似ていない!「自主的(性)」が決められたテーマ(例えば掃除や給食などの当番!学校のルール!宿題!など)の中で発揮される行動力に対して、「主体的(性)」とは何をすべきか決められていないことを、自分の意思で決断し、行動することです。 主体的な人の行動は、他人の意見に流されることがありません。また、自らの行動に責任を取ります。謙虚さを持ち、他の人々と協調しながら目的を達成することができます。簡単に言うと、自分の頭で考え行動することができる、周囲に良い影響を与えることができる人です。 「自主性」はある意味、管理された中での率先垂範、優等生的な行動であるのに対して、「主体性」は自分で考えて行動することです。「自主性」が歯車のひとつであるのに対して、「主体性」は全てを包括させた人間としての動き、生きていることそのものと言うことができるのではないでしょうか! これからの不透明、予想できない時代を生き抜くために、「自分で考え、自分から動く」子どもを育てましょう!そして、大人自らが「主体性」のある自分で生き抜きましょう! 教えるからの進化を!教師の役割の変化について、もう少し言うと、「教えない授業」では、教師の役割は「ファシリテーター」となることです。ファシリテーターとは、「進行(まとめ)役、司会、円滑にする人、世話役」と訳されます。授業では、子どもたちが学習活動をスムーズに進められるよう支援していく役割を担う人のこと(=促す人)のことを指します。円滑に授業を進行する舵取りの役割ですから、行き先である目標をしっかり示すことも大切になります。前の記事にも書いたように、子ども同士の活動の時間が増えるので、教師には子どもをじっくりと観察する時間が生まれます。こうして見守っていると、子どもの人間関係がよく見えます。教室内の一人ひとりはそれぞれ違った個性、能力を持っているので、ペアワークやグループワークなどでうまくいかない子どもも出てきます。そんな時こそ、早い段階でトラブルを見つけ、困っている子どもの相談にのることもできます。このように子どもを観察する時間は、教師が前に立って、板書しながら話をする講義型の授業では生まれません。「教えない授業」は一見すると放任しているようですが、教室の中での教師の役割は多く、教師と子どもの距離はより近づいていくのです。子どもに活動させているときは、子どものいいところを見つけるチャンスです。子どものいいところを見つけ、フィードバックすることによって、子どもには「見守られている」という安心感が生まれます。その結果、子どもは教室を安心して学ぶことができる場所ととらえるようになるのです。 チーム桜は「教える」から「促す」の大人のチームをめざします! |
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