主役は子ども!「2020年からの教師問題(石川一郎 著ベスト新書)」より、 (昨日の続き) 本書では所々で、生徒が「主体的」に学ぶことの重要性を指摘してきましたが、「指示する、指示を待つ」の関係性が教師と生徒の間に結果的に構築されてしまえば、それは、「主体的」に学ぶことの妨げにしかならないのです。 そういえば、2020年の教育改革に反対している教師の中に、「主役感」の強い人が大勢見受けられる気がするのは、私だけなのでしょうか・・・ さて、「主役感」を持つことにはもう一つ問題があります。教師が「主役感」を持つと、生徒に結果を強く求めるようになることです。(中略) 生徒が結果を出すこと自体が教師の目的になってしまうと、生徒が途中過程で悩んだり、失敗したりすることは、無駄なことととらえられてしまいがちです。 第二章で取り上げた「モヤ感」「クリティカルシンキング」「自分軸」は、生徒が主体的に物事に取り組む過程で生まれるものであり、「主役感」のある教師のもとでは生まれません。 教師の「主役感」は、生徒の多くの可能性を奪うものでしかないのです。 教師は「教えないこと」です。自分が「なんとかしなければ」や「なんとかしてやる」なんて思わないことです。これって仕事を放棄してる?楽してる?と思われたら大間違いです。反対に教えるよりも難しいことです。それは、子どもたちの一挙手一投足を見逃さず、子どもの変化に敏感になり、子どもから学ぼうと謙虚に、真摯に向き合わなければなりません。これは地道な、粘り強い関わりが不可欠となります。正直めんどくさい作業です。教えている方がよっぽど楽かもしれません。 しかし、2020年以降の学校教育は「教えるからの脱却」が掲げられ、「学ぶ(つなげる)」に移行しなければなりません。 主役は子ども!教師に主役感は必要悪なのです。 大人の学び!午後は大人の学びです。 提案授業と荒木先生のチャレンジ授業を振り返りながら、 「道徳する上での悩み・疑問・困っていること」を出し合いました。 ・教科書使わなくて価値に迫れたのか? ・多様な考えが出る題材とは? ・道徳ノートの使い方は? ・国語との違い? ・読み取りになってしまう! ・話し合うための素地づくり? ・先生の言う通りに流れてしまう! ・本音の引き出し方? ・教材の扱い方? ・最後の終わり方? ・気持ちを問うのは困難? ・導入をどすればいいのか? などなど、どのグループも活発な意見の交換が行われていました。 その後、ワールドカフェで各グループから出てきた考えをみんなで共有します。 チーム桜のファシリテーターのみんなが自分の言葉で伝えます!このアウトプットが大事!どのグループももっと時間がほしい!空気いっぱいでワールドカフェを終えました。 チャレンジ授業!5時間目は立命館大学の荒木教授によるチャレンジ授業です。 「本当の優しさとは?」 先生ははじめに「答えは一つではない」それを「自分で考える」授業であることを子どもたちに伝えました。そして、話し合いにはルール(最後まで聞く・否定や非難しない・質問する)があることを確認し合いました。 3パターンの例からそれぞれが優しいか優しくないかを問います。 「ロッカーの片付けを先に手伝ってしまう」 「人がが悪口を言い合っていることを、言われている子どもに別の人が教えてあげる」 「トイレの行列に小さな子どもが泣きそうな顔で走ってきた。その子を先頭にいれてあげた」 どうですか?子どもたちは理由も考えながら、それぞれの行動について優しいか・優しくないかを自分で考えました。 友だちと助け合うとは?「いのりの手」 「どうしたら友だちと仲良くなれますか?」 ・たくさん話す ・あいさつをする ・相手の気持ちを考える ・声をかける ・すぐかっとならない 子どもたちはこの後作品の世界に入ります。 「励ましの手紙とお金をもらった時、デューラはどんなことを考えたでしょう?」 「手を握りしめたまま、泣き出したデューラーはどんな気持ちだったのでしょう?」 子どもたちはそれぞれの場面で心情に迫ります。 最後に中心発問 「『いのる手』はどんなことを伝えているでしょうか?」「この手には二人のどんな思いが込められているのでしょうか?」 子どもたちは自分の考えを持って、グループで伝え合います。 「友だちと助け合う」とはどうすることなのか?このお話から子どもたちは自分ごととして考えます! 自分はどうかな?「みんながつかう場所」 電車の中での過ごし方を話題にしたお話。 「その日一日ゆかいだったのはなぜかな?」 ・しずかだったから ・ニコニコしていたから ・考えごともできたから など、子どもたちはおじさんになった気持ちで考えます。 さらに、みんなに迷惑をかけないように過ごすことができたときのことを思い出した子どもたちでした。 |
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