新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、学校が長い間休みになっています。緊急事態宣言が発出され、明日からもしばらく休みが続きます。「授業を受けることができない」「部活動ができない」「友達と会えない」など、寂しく厳しい状況が続きます。新一年生の皆さんにとっては入学式も延期となってしまいましたが、4月1日からはすでに本校の生徒です。どんな状況下にあっても、どのような1年になるのかを決めるのは、スタートの今、この日、この時、この瞬間にあります。授業が始まってからではありません。このホームページには各学年の学習課題も掲載しています。困ったこと、わからないことがあれば、ためらわずに学校に電話してください。先生方は皆さんの顔を思い浮かべながら、毎日、学校で新学期の準備を整えています。写真のように入学式の準備も万全です。いつでも安心して連絡してください。
京都に、人間国宝とされている志村ふくみさんという人がいます。いろいろな植物を使って、布を染める仕事をされています。その中に、きれいな桜色に染まっている布があります。この桜色は、桜の花びらから取り出したものではありません。花びらをいくらたくさん煮詰めても布を桜色に染めることはできません。花びらではなく、桜の木の皮を煮詰めて、この桜色を取り出すそうです。しかも、桜の花が咲く直前の木の皮でないときれいな色は取り出せません。桜の木は、花が咲く直前、木全体が、最も美しいピンク色になろうとしています。花びらのピンク色は、それらのほんの先端だけが姿を出しているだけです。きれいな花を咲かせるには、見えないところで、そして体全体で準備をしなければなりません。
見えないところ、というのはまさに、この春休みがそうです。みなさんが、家でどのような生活をしているのか見えません。与えられた学習課題に対してどれだけ主体的に取り組むことができているのか、どれだけ規則正しい生活ができているのか、見えません。
「自制心」という言葉があります。自分をコントロールする力です。皆さんも、自分をしっかりコントロールし、1年後にきれいな花を咲かせるために、見えないところで、そして全力でがんばってほしいと思います。