今日は木曜日、2年生学年集会の日でした。
今日のお話の内容は、以下の通りです。
「3学期が始まってからのみなさんの様子を見ていると、とても頑張れているように思います。普段の学校生活の中で、集合やチャイム着席、授業態度一つとっても、あれやこれやと先生から指導することが本当に減ってきました。
人に言われる前に、自分たちから動くことができてきているなぁと、とても成長を感じます。しかし、100点満点かと言われれば、やはりそうではないかなとも思います。みなさんなら、もっとできる。そう感じることも多いからです。
さて、ここで1対1で行っている綱引きを想像してください。1対1ですから、互いに負けじと必死で綱を引いていることでしょう。しかし、それが10人対10人であったらどうでしょう。一見、みんなで協力すれば、力を合わせて頑張れると思うでしょう?しかし、人間は、どうしても深層心理で手を抜いてしまうことがあるそうです。
「きっと、隣の人がやってくれるだろう」、「自分ぐらいやらなくても」など、そのつもりはなくても、人は、集団になれば無意識のうちに100%を出せないことがあるのです。そういった心理現象を「リンゲルマン効果」というそうです。
しかしながら、もう一方で、その逆の現象が起こることも報告されています。というのも、その集団がプロフェッショナルが集まる集団であれば「リンゲルマン効果」は起こりにくいのだそうです。プロとは、その道を極めるために努力を重ねてきた人たちであり、高いプライドとモチベーションを持っています。そういった人たちは、見返りを求めるのではなく、自分の頑張りで人を喜ばせたい、勇気を与えたいと考えるので、手抜きは起こりにくいのだろうと思います。
そう考えたとき、みなさんに求めたい「もう一成長」のためのヒントが、そこに隠されているのではないかなと思うのです。「きっと誰かがやってくれる」という意識を、「自分がやらねば誰がやる」へと、ほんの少し意識を変えてみましょう。逃げてしまいたくなる時も、少しでいいから抗ってみましょう。
日常生活のプロ集団になれば、きっとみんなで成長できるはずです。そのための仕掛けも、校舎にたくさんあります。本や新聞、名言集掲示物。改めて広くアンテナを張って、いろいろなことを深く考え行動できるみんなでいてくださいね。」
ついつい流されてしまいそうな心の動きをうまく突いたお話でした。プロになるには、厳しい道が待っていますが、チャイム着席のプロ、あいさつのプロ、その他なんでもいいと思います。互いに良き方向へ導くことのできよう、一人ひとりの意識向上に期待しています。