『シールの星』岡田淳/作(偕成社)
テストで100点をとるともらえる星のシールを 誰もいない教室で見つけてしまったら、あなたはどうしますか?
マアコと同じ班の美子(よしこ)は、たいていのテストで満点をとりますが、今日はシールをもらえませんでした。「同じ班に0点の子がいれば、100点でもシールはもらえない」という新しいルールができたのです。
マアコの班には、ほかにも一平としんちゃんという男子がいます。一平のシールは3枚、しんちゃんのシールは0枚です。そのしんちゃんが今日の算数のテストで0点をとったのです。そのせいで、美子と一平はけんかをしてしまいました。
夕方、マアコと一平としんちゃんの三人は、しんちゃんが忘れた宿題をとりに学校へもどりました。そして、だれもいない教室で三人が見つけたのは、5239個のシールでした。
さあ、あなたがしんちゃんや一平ならどうしますか?
星のシールを持って帰る? 持って帰らない?
この話は、作者の岡田淳さんが、ある小学校の先生に聞いた話がヒントになって生まれました。その小学校の3年生は、シールを持ち出して先生にしかられたそうですが、この話のなかの三人は・・・、やっぱり先生にしかられただろうなぁ。けれど、この日の出来事は、大人になってもずっと覚えているような素敵な思い出になったことでしょう。