学校日記

学習に向かう力を育てる取組1

公開日
2019/06/10
更新日
2019/06/10

でんでんにっき

 世の中が便利になってきたことはとても良いことなのですが、自動化・デジタル化していくに伴い、親世代・祖父母世代が子どものころに自然と身につけてきたことが、今の子どもたちには難しくなってきています。蛇口をひねるような手の動き、凸凹な場所を上手に歩いたり高いところに登ったりする動き、遠くや近くのものにスムーズに焦点を合わせること等々、生活の中で何も考えずに身につけてきたことが、ゲーム機や室内遊びの多い今の子どもたちは、身につけることなく大人になっていきます。「うちの子は外で遊んでいるから大丈夫!」いえいえ、体を動かしていても、同じ遊びや運動をしていると、新たな刺激が脳へ送られなくなり、将来必要な感覚を身につけることがないまま大人になってしまうそうです。
 そこで本校では、ゴールデンエイジと言われる大切な時期の子どもたちに、将来に向けて必要な感覚の「育て直し」を行おうと、昨年度から様々な取り組みを行っております。
 今回ご紹介するのは『伝法体操』と『ビジョントレーニング』です。
 『伝法体操』は、普段あまり行わない‘体をひねる動き’や‘横に倒す動き’を取り入れています。また同時に呼吸法も指導することで、脳を活性化させ、眠くなりがちな午後から授業にも集中して参加できるようにしています。この体操は、本校教員が立案し、理学療法士の監修を受けて作成したもので、脳を覚醒させるには最適なものとなっています。
 『ビジョントレーニング』は、米国オプトメトリストの北出勝也先生に教えていただいたトレーニングです。子どもたちはゲーム機で目を使っているようですが、疑似遠近感の中でゲームをしているので、実際には目の筋肉をうまく使えていないそうです。このトレーニングを半年続けた結果、「黒板の字をノートに写す時間が早くなった」「百マス計算のタイムが上がってきた」「音読で読み飛ばしが減った」などの効果が上がってきています。また、プロ野球選手が動体視力を上げるために取り組んでいるという話も聞きます。ユーチューブでも見ることができるので、ご家庭でも取り組んでみてください。本を読むスピードが上がると思いますよ。
 本校では、ゴールデンエイジたちの様々な感覚を育てるという【学習に向かう力を育てる取組】を今後も続け、体力・学力の向上だけでなく、将来社会で働く際に必要な力を身につけさせたいと考えています。