終業式 校長講話 「心を働かせるということ」
- 公開日
- 2017/12/25
- 更新日
- 2017/12/25
お知らせ
今年度は、2学期が例年より1週間早く8/25にスタートしました。そんな長いようで短かった2学期ですが、みなさん一人一人がとても輝いた2学期でした。
さて、自分にとってどのような2学期だったか。振り返ってみてください。
九条南小学校では、今年度も「本物にふれる」をテーマに様々な体験学習を行ってきました。私は、色々な体験学習の中でたくさんのことを学ぶことで、人間として成長してほしいと願ってきました。
分かりやすく言うと、このような取り組みを通して、人の意見や考えに左右されることなく、自分で考えて、どうするのかも自分で決めて行動できる子どもに育ってくれることを何よりも願ってきました。
さて、みなさんは、北野武(ビートたけし)さんという人を知っていると思います。彼がまだ子どものころの話です。
ある時に親戚に不幸があり、電車に乗って静岡に行くことになりました。行きは夜行列車の三等という一番安い車両でした。当時小学校の3年生だった彼は、飴を食べ、その包み紙を平気で床に捨てていました。三等の一番安い車両で床にはたくさんゴミが落ちていたからです。その時、父親は彼に何も言いませんでした。
帰りは、特急の展望台付きの電車に乗りました。その時も父にもらった飴を食べましたが、彼は包み紙を床に捨てず、ポケットに入れました。この姿をじっと見ていた父親は、彼が包み紙をポケットに入れた瞬間、突然怒り始めました。
どうしてか、分かりますか。
「お前は、周囲がゴミだらけだと平気で包み紙を捨て、ゴミ一つ落ちていないと分かると捨てない。お前は、環境の奴隷になっている。そんな主体性のない人間になるな。正しい事は、どんな状況でも正しいんだ」と大声でしかりつけたそうです。
後々、北野武さんは、この父親に叱られたことが、今の自分を作ったと話しています。
そこで、みなさんはどうですか。環境の奴隷になっていませんか。周りがうるさいとしゃべる。静かなら静かにしている。そのような態度で授業を受けたり、人の話を聞いたりしていませんか。人がするから自分もする。人が言うから自分も言わないと損だとそれに乗って言う。そんな生き方をしていないかと言うことです。
私は、みなさんには、常々人に対して気づかいのできる人になってほしいと思っています。最初に言いましたが、2学期は、特にたくさんの行事や取り組みをしてきました。人の意見に左右されずに生きるとは、難しい言葉で言うと、主体的に生きるということです。主体的に生きるということは、勝手な行動をするということではありません。周りに気をつかう心を持って生きるということです。以前、働くとは、はた=周りを楽にするということからきていると言いました。父親から注意をされた北野武さんも父親から「お前がゴミを捨てれば、誰かが拾うことになる。そんな気遣いのできない人間になってはいけない」と諭したわけです。
もし、自分が気働きができていないなと思う人は、新しい年に変わる3学期からは、毎日の生活の中で周りの人たちを気づかい、いろいろな事に対して心が働く人間になれるよう努力してみてください。
明日から、始まる冬休みは、クリスマスや正月をはじめ、楽しいことがいっぱいありますが、遊びばかりに熱中するのではなく、2学期までに学んだことの復習はもちろんの事、繰り返しになりますが、しっかり心を働かせて、家族の一員として、お家の掃除は、必ず手伝うようにしてください。これは、私からの宿題です。
最後に気になっていることがあります。この後、濱本先生からお話があると思いますが、最近、大阪市内で、交通事故が増えているようです。交通事故に合った児童が重傷で入院しているケースがたくさんあると聞いています。交通ルールは、必ず守るようにしてください。
それでは、よい年末と新年を迎えてください。1月9日(月)には、元気な姿でみなさんに会えることを楽しみにしています。