今日の一言 12月12日 詩 「アノコ」
- 公開日
- 2014/12/12
- 更新日
- 2014/12/12
校長雑感 一隅を照らす
学校に届いた雑誌に、胸を締め付けられるような詩が掲載されていました。
どこにでもある風景?
でも繰り返されてはならない風景!
自分のことでなければ、目をつむってしまえば、その風景は通り過ぎていく。
でも、そこで起っていたことは、とても重く、辛く、切ないこと。
目をつむってはいけない。
目をつむらせてはいけない。
今の時代では、「よくあるはなし」になってしまっているのではないかと、
焦りに似た感情が湧き出してきました。
*** *** ***
「アノコ」 大阪市中学二年生(当時) 田中七海さん(たなかなみ)
アノコは泣いていた
靴を隠されて泣いていた
ワタシは笑っていた
友達と雑談して笑っていた
アノコは座っていた
ひとりぼっちで座っていた
ワタシは遊んでいた
みんなと遊んでいた
アノコは帰っていた
肩を落として帰っていた
ワタシは見ていた
その後ろ姿を見ていた
見ていたけど、見てないフリをした
先生が言う
いじめられている子がいますって言う
ワタシ達は言う
そんなの知らないよって言う
本当に?
アノコとワタシの目があった
アノコの顔は似ていた
昔のワタシに似ていた
いじめられてたワタシに似ていた
はい、と
私はゆっくり手を挙げた
引用:2013(平成25)年度第32回人権啓発詩・読書感想文募集事業(大阪府・大阪府教育委員会・愛ネット大阪)の入選作品より
おおさか人権情報誌「そうぞう」2014.10 No.36
*** *** ***
詩を書いたこの子が気づいたように、
もし、桃陽で同じようなことがあった時には、
子だもたちも、私たちも
「はい、と
ゆっくり手を挙げる」
そういう仲間でありたいと思います。