学校日記

今日の一言 7月7日 子育てと自己実現は両立する その2

公開日
2015/07/07
更新日
2015/07/08

校長雑感 一隅を照らす

昨日、7月6日の補足です。



実はこの「あとがき」の最初に、河合隼雄は、すごいことを言っています。




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今流行りの「自己実現」は、「自我実現」「利己実現」ほどのものである・・・と。
いわゆる「自分の夢を実現してお店を開いてがんばるとか、好きな仕事で世の中に認められるとか、これは「自我実現」でたいしたことではない。小さい小さい「私」を実現しようとしているだけということは、わかっていないといけない。
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「自我実現」をした後に大きな不安が来る。その不安に立ち向かうのが「自己実現」である。すべてを成し遂げた後に、「自分は本当は何をしたいんだろう」「死んだらどうなるんだろう」そういう途方もないことを考えたり、実現しようとしたりする。つまり心の全体として、自分が死ぬことを含めて完全に納得すること、それが「自己実現」である。
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子どものやっていることは理屈に合わない。意識や自我から見たら、なんて無駄しているんだろう。
「どうしてこんな子なの」じゃなくて「こんな子とどう生きるか」と考えるのが自己実現。思うようにならない子どもを受け入れのが自己実現だ。
(こころの子育て「あとがき」朝日文庫 より抜粋)

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このような意味での「自己実現」であるなら、
「子育てと自己実現は両立する」というのも納得できるし、
子育てをすることが、人生においてとてもとても意味深いことであることもわかってきます。


子どもたちに、こころも身体も人間全体を使わなければできない仕事。

学校にあっても、そういう意識を持ちたいと思います。

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学校にいると、えも言われぬ感動、自分が成長し続けている感覚があります。

ひょっとすると「自己実現の過程」を体験しているからなのかもしれません。