今日の一言 10月9日 G線上のアリア
- 公開日
- 2015/10/09
- 更新日
- 2015/10/09
校長雑感 一隅を照らす
スイス・バーゼルの音楽学校(http://www.musik-akademie.ch/de/ueber-uns/portrait.html)の卒業試験(コンサート)で、テレマンの「12のファンタジー」を演奏しました。
この曲は、バロック音楽の演奏の基本を勉強できることでも有名です。
* * *
バロック時代は、演奏家の時代とも呼ばれています。
毎日のように飲み屋さんでテレマンの曲が演奏されました。
お客さんは「昨日のあの曲よかったから、また演奏してくれ」と頼みます。
よしわかった・・と意気揚々と演奏しても、もし全く同じように演奏すると、
「なんだ同じじゃないか、それじゃつまらない。少し変えて演奏してくれ」
などと言われたそうです。
4000曲近く作曲したと言われるテレマン。
彼の曲の中には、基になるメロディーと通奏低音(バス)のみが書かれているものがあります。
メロディーは、ごく簡単なメロディーラインのみが書かれています。演奏家は、今でいうジャズの演奏家よろしく即興で装飾音符を付けたり、メロディー自体も少し変えたりしながら、聴き手が退屈しないようにします。
当時の演奏家は、その即興演奏の技術、いわゆるアドリブの面白さを競ったそうです。
しかし、演奏家たちは、だんだん調子に乗り過ぎたようです。