今日の一言 4月19日 音楽は原初的 その2
- 公開日
- 2016/04/19
- 更新日
- 2016/04/19
校長雑感 一隅を照らす
「さあ今から首を狩りに行くぞ!」
首狩り族の男たち。
しかし、すぐに出かける様子はありません。
誰が言い始めるわけでもなく歌い始めます。
単純だけれども、
どこか不思議な響きのする音の重なり。
突然、首領格の男が言います。
だめだ、こんな響きでは、俺たちが殺されてしまう。
今日の狩りは、取りやめるぞ!!
そうです。音が合わないのは、心に乱れがある証拠。
心が一つになっていないからだ。
こんな状態では、チームプレイはできない。
攻めに行っても、こちらがやられてしまう。
この首狩り族は、「ハモル(音があっている)」かどうかで
狩りにでかけるかどうかを決めていたそうです。
ドミソの「ド」と「ソ」の完全五度はもちろん、ピッタリはまっていなくてはいけません。そして、第3音の「ミ」も低めに鳴らします。
おそらく、それに加えて「ド・ミ・ソ」のそれぞれの音のバランスや、音色も求めていたのではないでしょうか。
大自然の中、そこへ溶け込むような声の重なり、完璧な響き。
それができることは、彼らにとって、自然とひとつになりきることを
意味している。
自然を感じ、自らの存在もそこへ入り込み、大地の息吹、原初的な場所へ戻っていく。
それができることは、本来そうあるべきこと。
音が合わないのは、本来の場所にいないということ。
そんな時に、戦いに行けば負けてしまう!!
・ ・ ・
君たちは、こんな鋭い感覚を持ち得るか?
そう問われているようで、
音楽をするとことの意味を
かんがえさせられました。
注:文中冒頭の、お話は私の創作です。小泉先生の授業からイメージしたものです。
ある首狩り族が、音が合わないと狩りに出かけないというはなしは実話です。
(写真:小泉文夫氏)