学校日記

今日の一言 5月12日 ベッポ爺さん(MOMO)

公開日
2016/05/12
更新日
2016/05/12

校長雑感 一隅を照らす

とても大好きな本のひとつ。
ミヒャエル エンデの「モモ」。

登場人物の中に道路掃除のベッポという老人が出てきます。
「長い長い・・果てしなく長い道を箒(ほうき)で掃く」
これが、彼の仕事です。

モモに語りかけます。

* * *
「ときどき人はとても長い道のりを目の前にすることがあるもんじゃ。
 そのとき、<こりゃ、ひどく長〜い道のりだな!>と考えてしまうと、
 もうその道を歩き通すことはできなくなっちまう。
 ・・・
 そう、人は急ぎ始めてしまう。
 少しだけ急いで、また少し急いで
 ・・更に急いで
 ・・どんどん急いで

 その度に、目前の道をちらちら見る。
 しかし、その長い道はちっとも短くなってない・・・

 突然、襲われる恐れにもっともっと頑張るけれど、最後は息絶え絶え。
 結局、目の前にはあの長い道が・・・

 こんなことをしちゃだめだ!

 ・・・
 
 長い道のりのことを考えちゃいけない。
 ただ、目の前のひと掃き、だけを考えるんだ。
 
 ひと掃きしては、一息ついて、 
 一息ついては、またひと掃き
 
 そうすると、何か幸せなってくる。
 それが、いい仕事をするコツなんじゃ。
 
 「一歩一歩」だけを考えてると、
 ふと気づけば、はるか遠くまで来ちまってるもんだ。

* * *

「時間」について考えさせられる本です。
「遅く歩けば歩くほど、速く前進できる空間」など
面白い話がたくさん出てきます。

「たくさんの仕事、いっぱいやりたいこと」なのに、「限られた時間」。
こんな現実に悩んだときは、この本を読むといいかもしれません。

引用:Michael Ende "MOMO" P.36-37(dtv)
   意訳:吉岡