学校日記

今日の一言 5月31日 ただ聴くだけ

公開日
2016/05/31
更新日
2016/06/01

校長雑感 一隅を照らす

悩んでいる人がいます。

いつも眉間にしわが入っている。
猫背。
声は小さく、視線に力もない。

そういう人に言ってはいけないことばは
「がんばろう」「やればできるよ」
など。
励ましてはいけないそうです。

* * *

河合隼雄の「カウンセリング入門」を取り出しました。

≪こんなときどうしたらいいのか?≫

本の帯に魅力的な言葉が・・
答えが書いてありそうです!

早速見てみると見出しには

 とにかく「聴く」

とあります。

次の見出しは

 「忠告」しても守られることは少ない
 忠告して治る人は、放っておいても治る

と続きます。

そして

 相手の言う通りに聴く

だそうです。

・ ・ ・

つまり、「頭が痛い」と言う訴えに、
「どこが痛いの?」とか「どんなふうに痛いの?」とか
訊いてはダメ!

ただ「頭が痛いんだ、そうなんだ。」と相手が言ったことを繰り返す、傾聴する。

そうすると勝手に相手が話しはじめます。たとえば・・
「そうなんです、頭のてっぺんが痛いんです」と
これが大事だそうです。

話しをしているうちに治ることもあるとのこと。

・ ・ ・

悩んでいる人がいると、忠告したくなるのが人情ですが、
結局、上手くいくことがないのは「ただ聞くだけ」が出来ていないから
なのでしょう。
おせっかいは、カウンセラーには向いていないようです。

* * *

子どものはなしを黙って聴くことができたら・・・
先生方のはなしも黙って聴くことができたら・・・


(写真:一年生の授業から「の」を書くのってむずかしい!!)
(引用:河合隼雄の「カウンセリング入門」創元社)