今日の一言 7月27日 世界はどうなってるの?
- 公開日
- 2016/07/27
- 更新日
- 2016/07/27
校長雑感 一隅を照らす
航空会社に入って、旅客部門で予約・発券業務をすることになり、
当時、東京の天王洲アイルにあったトレーニングセンターで長期の研修を受けました。
全く違う業界。毎日、新しいことを習いました。
○都市名や空港を表すスリーレターコード
KIX=関西国際空港
NRT=成田国際空港
ITM=大阪国際空港(伊丹)
LON,PAR,FRA,ROM,LAX,BCN・・などなど
○航空会社のツーレターコード
JL、NH、LH、KL、IT、NW、・・・などなど
このような基本的なことから始まり、航空運賃ルールの基礎知識を学んでいきました。
日系の航空会社だったので、基本的には日本と海外を結ぶ路線の運賃計算の勉強です。
そこで勉強するのは、格安航空券の料金ではなく、ノーマル料金です。
観光目的で旅行するときには、あまり目にすることのない料金です。
例えば、海外で仕事をし、且つビジネス都合で突然渡航先で旅程変更をすることが予想されるような人は、このノーマル料金の航空券が必要です。
実際、私がカウンターで仕事をしていたとき、単純な日本と目的地の往復航空券を持っていた方が、2つから3つの都市を経由する旅程に変更したいというケースが何度もありました。
ということで、航空運賃の勉強をしたのですが、とにかく驚きました。
航空会社が外国に飛行機を飛ばすということは、簡単なことではなかったのです。
国と国同士の力関係が如実に表れます。
空港の発着枠、航空料金、運賃ルール・・・
発着枠などは、2国間交渉の場で激しいせめぎあいの中、決めていきます。
運賃は、国際線を運航する航空会社が構成会員となるIATA(国際航空運送協会)が複雑に絡んできます。
2国間の力関係、国際社会の中での立場、大戦での勝者・敗者・・などで運賃ルールが決定されます・・・・と習ったのです。
実際、不公平、不平等なルールがありました(今は知りません)。
運輸省が発着枠で厳しい2国間交渉を戦っているなどということも、
初めて聞かされたのです。
・・・
いったい、世の中どうなっているんだ?
当時ドイツに住んでいた私には、ヨーロッパはたいへん身近な存在でした。
しかし、平穏で平和で、国同士の関係は友好的で紳士的に見えていたこのヨーロッパは、実は民族問題を抱え、大戦の影響を引き摺り、そんな呑気な世界ではなかったのです。
すでに30歳を少しばかり超えた年齢に私はなっていました。
知らなければいけないことがある、という大きな焦りをおぼえました。
研修を受けるため日本に一時帰国するたびに国際関係の本を買いました。
写真の本の中には、数冊近年のものもありますが、ほとんど当時買って読み込んだ本です。
・・・・
これらの本を読んで感じたことは、今でも同じです。
日本のことは日本が、自分のことは自分自身が決めなければいけない。
だれかが決めてくれるわけではないのだ