学校日記

今日の一言 8月1日 月と六ペンス その3

公開日
2016/08/01
更新日
2016/08/01

校長雑感 一隅を照らす

写真:(上)ウィッキペディアから。ゴーギャンのタヒチの家
   (下)『われわれはどこから来たのか われわれは何者か
       われわれはどこへ行くのか』ボストン美術館。

・・・・
「いったいどういうことなんですか?あなたとストリックランドと、あまりにもかけはなれた二人が、同じように追い求めていたものがあるというのですか?」

  「美なんだよ」

  「これでもわたしなりには芸術家のつもりなんだ。
   つまり私の胸の中に、彼(ストリックランド)を
   動かしていたと同じ衝動が動いていることに
   気がついたんだ。
   彼は絵筆を通して、私は生活そのものを通して。
   ただそれだけの違いなんだ。」

物語り全体を客観的に見続ける「僕」がこの作品の進行役です。
「僕」が、この物語の最後の方に出てくる元フランス海軍にいた男・キャプテン・ブルノに質問をしました。

およそ「美」などとはかけ離れた人生を送ってきたこの男がストリックランドと「同じ衝動」によって生きてきたというのです。

彼は、人生の中で「美」を作ってきた、その「美」を追求する衝動はストリックランドと同じだと・・・。

「人生そのものを芸術に見立て、その芸術のために生きる」
キャプテン・ブルノは、そのような人だったのでしょうか。

彼は、例のストルーブと同じ感慨を持ってストリックランドを見ていました。

サマセット・モームは、彼にこのように語らせます。