学校日記

今日の一言 11月19日 志望動機 誤解!

公開日
2016/11/19
更新日
2016/11/19

校長雑感 一隅を照らす

「そんなに、はっきりと想いをぶつけ合うのは、夫婦やパートナー、家族の間だけだよ。
 職場の同僚とは、距離をとるよ。」

あまりにも、はっきりものを言わない同僚に
「ちゃんと自分の意見を言ってくれ。欧米人は、自己主張するものだと日本で習ったぞ」と言ったときの先方からの返事でした。
日系の航空会社に勤務し始めて、数か月たったころ、同僚はドイツ人。

・・・
欧米では、はっきりものを言わなくてはいけません。
意見を言い合って、はじめて理解し合うことができます。
日本人のようにぼそぼそ言っててはダメです。
欧米人に負けてしまいます。
・・・
日本で、このように習ってドイツに来てから5年。
ずっと間違ったコミュニケーションをしてきたのか・・とショックでした。

この体験から何年も経ってから分かったことは、
「どこの国でも、どの文化でも、本質的には変わらない」ということでした。

人と話をするときには、
・相手が誰なのか?
・その人との関係はプライベートなのか、仕事上なのか?
・話している時の周りの状況は?
・・・などなど

いろいろな条件や状況に合わせて、話し方を変えることは当然のことです。

***
前職では、ミュンヘン市の学校局やバイエルン州教育省のポジションの高い方と交渉することが度々ありました。もちろん相手はドイツ人です。

その時に気を付けたことは、

立場をわきまえて話すこと、
自分の主張をダイレクトに言わず、察してもらうように話をもっていくこと、
感謝の気持ちをあらわすこと

でした。

交渉前には、根回しもたっぷりしました。

・・・
ミュンヘンは、自動車業界関連の日系企業が多くあります。
日本人の駐在員の多くは、ヨーロッパ、アメリカなど転々としている方たちです。
その彼らが、異口同音に「根回しやコミュニケーションを取るときのマナー(作法)は、世界中同じだ」と言っていました。

・・・

極めつけは、ドイツで40年以上商売をしているビジネスマン(社長)が言ったことです。
最高の契約形態は「口約束だ」
その人は、ミュンヘンを中心に手広くビジネスを展開していたのですが、ここ一番という時には、紳士協定を結ぶことができる相手とのみ仕事をしたそうです。

そこには、阿吽の呼吸にも似たものがあったそうです。

・・・

出来ることをアピールすることが、大切な時があります。
相手が分かりやすいように、比較対象をあげ数値で説明するのも大切な時があります。
そのための話術(語学力)もとても重要でしょう。

でも、これらテクニックよりも大切なことがあるんじゃないか。

日本人が、海外で活躍するために必要なことは何なのか?

「誤解!」してしまっていることがあるのではないだろうか。

ずっと考えていました。