学校日記

今日の一言 1月24日 年頭新たに一佳書を読み始むべし

公開日
2017/01/24
更新日
2017/01/24

校長雑感 一隅を照らす

1月10日の校長雑感に書いた「年頭の言葉」の五つ目に
<年頭新たに一佳書を読み始むべし>とあります。

そういえば、年末は本を読まなかった、と反省しました。

モリモリ読書欲が出てきたので、例のように校長室の本棚をごそごそしているうちに「日本の弓道」と言う本を紹介する文章に出会いました。

オイゲン・ヘリゲルというドイツ人が書いた本です。
東北大学で哲学を教えていた彼は、最も日本的なものを習いたいと考え、行き着いたのが「弓道」だったそうです。

彼の弓の先生が言うには・・・
「矢を離そうと思ったらいけない」
「射(う)とうとしてはいけない」
「矢が飛んでいくのであって、あなたが射ってはいけない」

彼はわけが分かりません。
離そうと思うからとぶわけだし、的を狙うから的に当たる。
的を狙ってもいない、離そうとも思っていないというなら、
先生あなたは真夜中でも弓を射ることができるんですね・・・・

彼に応えて、その先生は真夜中の道場で真っ暗な中、弓を射て
一の矢は、図星(ど真ん中)に命中。二の矢は、一の矢の矢筈(やはず)を割って刺さったそうです。

先生は一言。
「これは私が射ったのではありません。<それ>が射ったのです。
 <それ>に二人で頭を下げましょう」

彼は、その後修行を続け、先生の元で<それ>を見つけたそうです。
その体験を書いたのが「日本の弓道」です。

物事全てが、合理的に分かるわけではない。
現実に起きていることが、科学では証明できないことがある。
人智を超えた何かがある。

・・・
年頭と言える時期はもうとっくに過ぎましたが、佳書を読み始め、読み続けたいと思います。